内容説明
言葉が人生を変える。
亡き妻サッチーの一言が私の背中を押し続けた。
「年齡を重ねるほど、自分に対して直言してくれる人がいなくなる。実は私にはひとりいる。いや、いた。それが、妻の沙知代である」
急逝したサッチーとの思い出を含め、野村の哲学を育んだエピソードの数々。
以下<序章 私はもともと弱い人間である>より抜粋
南海ホークスを解任された私は、今後の身の振り方について早く考えなければならなかった。
ただ、スキャンダルの影響が予想以上に大きく、予定されていた日本シリーズのゲスト解説の話もなくなり、
「俺はもう、プロ野球の世界で生きていくことはできないのか……」とも思い始めていた。
そんなとき、「東京に行こう!」と言い出したのが沙知代だった。
自動車にわずかな荷物を載せ、東京へ向かうこととなった。
まさに裸一貫での出発だった。
しかし、私は生まれてこのかた関西で暮らしていた人間だっただけに、東京に何かアテがあるわけではなかった。
「これからどうやって生きていけばいいんだ、俺は。お先真っ暗だ……」
マイナス思考の私は心の底からしょげまくり、自動車を運転して東名高速を走っているときも、ひとりで愚痴ばかりこぼしていた。
そんなとき、沙知代が大きな声で口にしたのが、「なんとかなるわよ」という言葉だったのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もとむ
20
例によってノムさんの本は、他の著書にもあるネタの使い回しが多いけど(笑)、今の僕自身が仕事に悩んでいることもあり、今更ながらに身に染みた。何度も読んだような話なのに、新鮮さすら感じた。「進歩とは変化すること。従って変わる勇気が求められる」そうだよなあ…常々「現状維持は退化」という言葉を大事にしてきたはずなのに、どこか抜け落ちていた。試合中に右手親指を骨折しても、監督やコーチには内密に特注で作ってもらったブリキのサックで患部を固定して、痛み止めの注射を打ちながら試合に出続けたノムさんの根性を見習いたい。2025/04/11
チョビ
4
沙知代夫人の死をきっかけにした筆者の「なんとかなるわよ」一代記。書かれていることは私だったら諳んじれるようなことばかりなのだが、構成次第で人生って違って見えるものだな、と。もちろん根拠ある考えがあるからこその「なんとかなるわよ」が重要なのだと説いているわけだが、これを理解できる人はどれだけいるのか。自分を成長させたい、筆者の本を読むたびにそう思うが、まだ努力の方向が違うのか、まだ少しも成長が見られない。それにしても、沙知代夫人、サイバラが小さく見えるほど豪快な方。高須院長が好きなの、わかる気がした。2018/04/16
cocolate
3
「人は何のために生まれてくるのか?」他の著書で何回も登場したフレーズだが、毎回グッとくる。完全に「野村本中毒」になっているが、それが生きるエナジーなのだ。2018/04/08
rubbersoul
2
「『人は何のために生まれてくるのか?』『何のために社会に存在しているのか?』その答えは、『世のため人のため』ということに尽きる。人は一人で生きていくことなどできない。むしろ、世の中や人に生かされているといったほうが正しく、常日頃から、『自分は誰かに支えられて生きている』という感謝の気持ちを持って、行動していかなければならない。それこそが、人間が生きるための条件なのである」2023/06/12
zuisei
1
野村監督は貧しい生まれから這い上がったのかな。言葉が大事だとのこと。傍目からは悪妻に見えるサッチーはプラス思考でマイナス思考の監督は励まされたとのこと。評価3。2018/10/10
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