音に出会った日

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音に出会った日

  • ISBN:9784777816255

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内容説明

あなたは想像できるだろうか。夜明けを告げる小鳥のさえずりを、ラジオから流れる音楽を、愛する人たちのおしゃべりや笑い声を、生まれてから一度も聞いたことが無い人生を。目の前で動く唇が、ほほ笑んで見つめる顔が、唇の動きから読み取ってきた言葉が、徐々に消えていく瞬間を。
ジョー・ミルン(著者)は全聾に生まれ、静寂に包まれて生きてきて、あるときから視界まで失いはじめる。30代のさしかかったときは、進行性の難病であるアッシャー症候群>と診断されてしまったのだ。いつの日か、彼女はまったく目が見えなくなるかもしれないのだ。しかし、どんなに落ち込もうと、ジョーは人生を楽しもうという信念を失わなかった。どんなに失ったものが大きかろうと、障害のせいで人生を諦めなかった。そして2014年、彼女はついに人口内耳の手術を受ける決断をする……読む人の心を震わせる、感動ノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫 綺

108
耳が聴こえなかった幼い少女が、その困難を乗り越え、立派な大人の女性になった。その彼女に、アッシャー症候群という更なる不幸が襲う。盲目の危機に、一筋の音が…。2017/04/22

けんとまん1007

42
視覚、聴覚など当たり前のようであって、実は、そうでもないのだと思った。生まれた時から無い場合、生後、だんだんと無くなっていく場合、いろいろだ。人工内耳手術で、初めて本格的に音に出会う物語は、想像を絶するものがあるとしか言えない。ご本人の努力もあるし、ご家族も含めたサポートや出会いもあってのこと。巻末に書かれていた、初めて手術後、音に出会う時の様子がユーチューブにあって、見てみたが、涙が出そうになった。2020/05/25

ケニオミ

14
「失ったものを嘆くよりも、残されたものを大切にせよ」という言葉を思い出しました。極度の難聴者として生まれて、子供の頃から他人からの嫌がらせを受けてきた著者が、アッシャー症候群と診断され、視力すらも段々と失うことになる。音のない暗闇の世界の住民となる恐ろしさは、健常者であっても容易に想像できることだろう。その身が竦むような未来に転機が訪れたのは、聴力回復のための外科手術だった。聴力を得た著者は、まだ視力を失いつつある事実が些細なことと感じるほど、喜びに満ち溢れた生活を送ることなる。読んでよかった一冊でした。2016/07/06

奈良坂葵

10
全聾の少女がいじめを乗り越え、視力も低下する中、39歳で人工内耳により初めて音を聞く。家族や仕事など考えさせられるドキュメンタリー2017/02/02

あちぇたな

6
39歳にして音を初めて聞いたイギリス人女性の実話。最後YouTubeの話があり、読み終わった後に本当のシーンを観た。すごい世の中のになったものだ。ジョーはインテリジェンスな強い女性で、心底尊敬する。しかし音の概念がなく、初めて聞いた音をなんて言ってるか認識出来ているのが不思議。2016/11/12

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