瘡瘢旅行

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瘡瘢旅行

  • 著者名:西村賢太【著】
  • 価格 ¥1,562(本体¥1,420)
  • 講談社(2018/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062156769

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内容説明

何故その私小説家のみ尊しであるのかと云う質問を、誰かから気まぐれに投げつけられたとしても、彼には、「知るか」と答えるより他はない。(中略)当事者が本気で行ない、身銭を切り、人生を棒に振るつもりでやっているのならば、たとえそんな理由なぞ皆目分からなくとも、自身では一向にかまわぬことである。――<本文より>

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

misato

22
同棲中の彼女・秋恵がお人よしにも、友人にお金を貸すばかりで返金 を迫らずにいることから貫多ともめる話「廃疾かかえて」。近頃の秋恵との不和を解消しようと岐阜旅行に出かけることにした貫多と秋恵。秋恵は渋々同行することになる「瘡瘢旅行」。秋恵がお婆ちゃんの看病に出かけている間の6日間。貫多は預かったキャッシュカードから12万円全額を使い、好きなものをたらふく食い、あげく女遊びと贅沢三昧する。思わず呆れてしまう話「膿汁の流れ」。廃疾のような持病を抱えた貫多と秋恵の同棲物語を三篇収録。 2014/05/18

うーちゃん

17
今更気付いたけど、秋恵と同い歳な私。秋恵…アンタもうよしなよあんな男(さくらももこ風に)。今回は秋恵のダメダメな一面が より描かれる話もあり、読み手の余計な溜め息は増すばかりの一冊だ。それでも「千五百円のペスカトーレと六百円のグァバジュースなるもの」のくだりは爆笑してしまった(秋恵ごめん)。メニューのチョイスと、貫多の厭ったらしいほど冷静な観察眼がおかしい。“秋恵もの”はまだまだ引き出しがあるんじゃないかと、内心期待している。2014/06/08

oz

11
初読。私小説に賭す作家は多い。古くは葛西善蔵、近松秋江、嘉村礒多、徳田秋声、和田芳恵、川崎長太郎、野口冨士男、小沼丹、つげ義春、佐伯一麦、車谷長吉そして西村賢太。生活に関して斜に構えたり、無頼を気取る姿勢を美学的に戯画化するのが私小説の滋味だが、常識の枠内で感傷的に設定された美学を謳いあげて鼻白むようになると途端にどうしようもないなまくらになる。西村小説はたじろぐような暴力癖と学歴や容姿への強烈なインフェリオリティのある男が文学まみれの哀れな姿を晒すだけのドキュメントだ。だがよほど文学的に誠実に見える。2010/12/13

イータン

9
三篇収録。どれも同棲していた秋恵とのお話。以前読んだ『どうで死ぬ身のひと踊り』で秋恵に「便座上げとけ!!」って言ってDVしたりと理不尽を超えに超える理不尽さが現実離れ?してるんだけど、今回はもう単純に貫太の酷さがただ滲み出てるだけで読むのが辛かった。好きな「根が◯◯」もややキレがなかった。それもそのはずで西村賢太はあとがきで「興の乗りきらぬまま些か前のめり気味で仕上げた」と言ってるのだからそういう作品になってしまったのかもしれない。2025/07/23

ophiuchi

9
妻はなぜ2冊も西村賢太を借りてきたのだろう…2014/02/10

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