内容説明
もうすぐ四年生になる“はるひ”は、引っ越してきたばかりの町で、ふしぎな女の子と友だちになった。名前はアカネヒメ。公園の桜の木に五百年住みついている見習いの神様だとか。ふたりはある夜、「夜走るゆうれい」をおいかけていって、古いオルゴールを見つけた。そのオルゴールには、あるひみつがかくされていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
189
ヘロヘロで疲れた体の状態で、この作品を読んだら温かく優しく包みこんで、疲れをとってくれました。アカネヒメが、なにか小生意気だけど憎めない。はるひもとても素直。だから神様の姿が見えたんだね。アカネヒメとはるひを見てたら、永遠に絆が続くと信じられる。何かに疲れてる大人が読むと、疲れを癒しにかえてくれる、優しく温かい奇跡の物語でした。2018/05/14
SJW
117
小学4年生のはるひは、東風早の西公園の桜の木をよりしろにする神様アカネヒメと友達になる。魔法を使えても、まだ幼いアカネヒメは他の人には見えず声も聞こえないため一人ぼっち。はるひと一緒に毎晩出てくる幽霊の心残りを解決したり、もう居なくなってしまった西風早の神様にアカネヒメと会いに行ったりと心暖まる大人の童話。2020/06/20
hirune
62
辛い悲しい場面もあるけど、基本優しい物語です。これはちょっとだけ SF要素が強いかも。お互い想い合うアカネヒメとはるひは再会を約束して別れたけれど、長い月日ののち 復活したアカネヒメは二人のはるひの生まれ変わりのようなあの子たちと巡り会えたのだから 想いは繋がりましたね(*´꒳`*)2018/07/23
ポチ
60
桜の木を依り代にする神様“アカネヒメ”と小学生“はるひ”のとても暖かく優しい友情の話。読了後は、純粋だった子供の頃に戻れた様な気持ちになれました。しんごろさん、ありがとうございました。2018/01/07
あつひめ
56
不思議な世界と言うより、心の中に置き忘れてきた懐かしい感じを受ける物語。もしも、もう一度子どもに戻れるならもっとたくさんの本を読めば良かった、大人のすすけた心ではなくまだ清らかな心で物語を読んで想像の世界を広げてみたかったとタラレバを思わずにはいられなかった。村山さんからのさりげなく優しい、でも鋭いところをついているような言葉が私を目覚めさせる。児童書と言えど侮れない。人間は気合いと気力。そうだな、自分から幸福を遠ざけてはだめだよね。悲しいことも辛いこと幸福の前座みたいなものかもな。心して人生を歩もう。2018/10/16