内容説明
祖父の寛太に誘われた、壊れた自転車でゆく旅。その過程で寛太から聞く、限られた時の中で精いっぱい自分たちの命を生きた恋人たちの物語。あの戦争で心に深い傷を負った寛太と、彼が本気で愛した美しい少女・真利子。旅の果てにあるものは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
57
胸がぎゅーっとなる恋愛小説でした。短い時間の中の純粋な恋愛。不器用だけれど悲しい恋愛。切なさに満ちあふれていました。互いを思いやる気持ちが伝わってきます。素敵な作品でした。2020/10/21
takaC
54
市川拓司モードで読もう。2018/03/13
なないろ
29
大好きな市川拓司作品、待ちに待った文庫化です。スーッと流れる文章、安定の優しい市川ワールドです。電車にも乗れない不器用な人間の温かい愛の物語。誰に頼ることもなく生まれ持った自分の足で進んでいきます。他人よりはゆっくりゆっくりだけれど、目指すところへの想いは誰よりも強く温かい。まあるく温かい愛のカタチが見えるような1冊でした。2018/01/18
kei@名古屋
24
非常に優しい物語です。お祖父さんの足跡を壊れた自転車を引いておしてゆく、目に浮かぶ物語と言うのはこういうものかもしれない。市川節はやっぱり良いですね2018/02/20
蒼雨
23
市川拓司さんの本は中学生の時に読んだ「いま、会いにゆきます」以来の二作目でした。優しい物語を書く作家さんってイメージが強いです。この本もすごく優しいお話でした。「ねえ、愛って、好きな人に生きてほしいって心から願うことなんだね」の一文が好きでした。2018/03/19
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