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内容説明
世界はいま、資本主義の機能不全に苦しんでいる。グラミン銀行を創設し、ノーベル平和賞を受賞したユヌス博士が「ソーシャル・ビジネス」「起業家の精神」「効果的な金融制度」の3つを柱に、豊富な具体例を交え、課題解決の方策と新経済秩序の可能性を語る。解説/安浦寛人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
36
グラミン銀行の創始者ユヌス氏による今の経済システムに対する提言。資本主義は利益を最大化することを目指すが、世界にとってはこれが大きな過ちと説く。そこから離れ、貧困、失業、二酸化炭素排出の三つのゼロのためソーシャルビジネスを広めるべきと。グラミン銀行創始者ということからこの方向への傾倒は理解するが、途上国ではよくても先進国ではそうはいかない。こういったことを考えるきっかけを与えてくれたことと今の経済システムに対する指摘の数々には感謝です。いい勉強になりました。2018/08/27
Mc6ρ助
8
なぜ資本主義が利潤を求めるのか子供のころから疑問だった。グラミングループのユヌス博士によると世の中の仕組みは強欲に利益を求めるように設計されている、人はそれほどまでには強欲ではないにも関わらず。かくて、ユヌス博士は新しい制度の設計を提案する。素晴らしい提案なんだけど、貧困にあえぐ女性たちに比べて、なべて世の中の男たちはアホと言われているような気がしてしょうがない。2018/08/01
大島ちかり
7
すごく読みやすくて本当にすばらしい。そして夢のような、でも成果が出ている。ユヌス先生の講演会に行って、自分のやるべき仕事を見つけたいが、貧になっている現時点ではそれも叶わない。日本も正しい政治、正しい経済に変わりますように。2019/02/27
Sato
7
2006年にノーベル平和賞を受賞した、グラミン銀行創設者ムハマド・ユヌス氏の著書。今世界中で貧困・環境破壊・失業の問題が蔓延している。原因の一つは経済システムが「個人の利益を利己的に追求する」という目的になっていることだ。特に貧困は医療面、衛生面、失業、住宅問題など雪だるま式に影響が膨れ上がる。そこで筆者が促進しているのがソーシャルビジネス。貧困者に単にお金を恵むだけでは、自立できず、いつまでも依存し続けるだけで堕落してしまう。ソーシャルビジネスとグラミン銀行について、今後更に理解を深めていきたい。2018/04/09
ゆーや
4
2018年21冊目。2017年のオックスファムの発表によれば、世界人口の下位半分(36億人)よりも多くの富を、たった8人の富裕者が所有しているそう。このままの資本主義のあり方では富の偏在化は進む一方。そんな危機感から経済・金融のシステムそのものの変革を訴える著者。「失業から雇用へ」ではなく「失業から起業へ」、ユヌスさんの姿勢を強く感じる考え方。彼が一貫して信じているのは、人間一人ひとりが持つ可能性や創造力。貧困層へのマイクロファイナンスやソーシャルビジネスは、その哲学から生まれてきたのだと実感した。2018/04/22