内容説明
バートはこの十年、ずっとこの路線でバスを走らせてきた。同じ道、同じバス停、停車・発車の繰り返し……もううんざりだ。そんなある日、バートのもとに天使がやってきた。指でつまみあげられるくらいのちっこい天使。かわいい天使に妻のベティも大喜び。セント・マンゴー校で調理師をしているベティは、アンジェリーノと名付けた天使を早速学校に連れていった。学校に天使がいる! たちまち生徒たちの人気者に。だが、そんなアンジェリーノの様子を物陰からうかがう黒ずくめの怪しい影があった……。国際アンデルセン賞を受賞した名手アーモンドが描く、『肩胛骨は翼のなごり』とはひと味ちがうかわいい天使の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
47
アーモンドさんらしからぬ(失礼!)ストレートに可愛くて優しい物語。ある日、バスの運転手バートのポケットにやってきたのは、甘いものが大好きで ぷっぷーと小さなおならをする天使アンジェリーノ。ちいさな天使の存在はバートとベティ夫妻や学校のこどもたちに幸福感を齎し、道を踏み外した若者たちにこどもだった頃の気持ちを思い出させてくれる。彼らに手を差し伸べるベティたちに胸がじんわり。温かい心の持ち主のもとに天使がやってくるんだなぁと、自分を省みて…もう少し優しくなろうとひそかに思ったり。挿絵も可愛いよ☆ 2018/05/11
ケロリーヌ@ベルばら同盟
18
数字が重なるエンジェルナンバーの日、4月4日に巡り逢い、こどもの日に読み終わりました(奇跡のよう!)。定年を間近に控え、仕事にうんざりしているバスの運転手、バートのポケットの中に突然現れた、小さな天使アンジェリーノ。彼は何故、何処から何のためにやって来たのでしょう。バスの幼い乗客達は答えを知っています。「あたしたちとおんなじ」「ちがうのは翼があることだけ」天使が齎す物は、受け取る側によって福音になり、天罰にもなります。本書を読み終わった後、この愛すべき世界は、沢山の天使で満たされている事に気付くでしょう。2018/05/05
葉っぱかさかさ
10
過去に読んだ同著者の作品とは随分とイメージが違うように思うのだが?だからといってつまらないという訳でもない。天使の周りは子供の頃を思い出した大人と、真実を見つめる子供達で満たされた。子どもの頃のような心で星空を見上げてみたくなる作品。今自分が追い求めているモノは、本当に、そんなに大切なモノなのか考えてみようか、と思う。2018/09/24
ぱせり
8
「幸運ね、わたしたち。こんな天気のいい日に、こんなにすてきな世界にいられるなんて」美しいことばだと思う。そこは特別な場所でも特別な時間でもない。当たりまえにある自分を巡る世界。ここにいられる喜びを、幸運をしみじみと知らせてくれる存在があなたなら、天使、わたしのところにも来てくれたらなあと思う。いいえ、天使はもうこのポケットの中にいるのかも。 2018/04/18
ASKA
3
ちょっと長めの絵本のような、昔懐かしい児童書らしい児童書。かわいいお話でした2018/09/30
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