文学の扉<br> ジェリーフィッシュ・ノート

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文学の扉
ジェリーフィッシュ・ノート

  • 著者名:ベンジャミン、アリ【著】/田中奈津子【その他】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2018/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062206044

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内容説明

12歳のスージーは、夏休みに親友のフラニーが海で溺れて死んだことを知る。大人たちは仕方ないというが、5歳から特別仲の良かったスージーは納得できず、原因を突き止めようとする。実は、夏休み直前、フラニーとケンカ別れしたままだった。突然、彼女はいなくなってしまい、本当の思いを伝える機会が永遠に失われてしまったのだ。新学期が始まると、いじめられっ子で孤独なスージーは、ついに言葉を発せなくなってしまう……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

38
YA。ずっと親友だったフラニーが海で溺れて死んだ。スージーは喋るのをやめた。スージーはここ一年くらい、フラニーと上手くいっていなかった。避けられ無視され、もう親友ではなかった。フラニーの死についての真実を発見したと思い込んだスージーは、ひとり旅に出ることを決意する。▽心が痛くなるタイプの青春小説。p240「ずっと口をきかないと、しまいにこういうことになるのかも~きっと、頭の中で考えていることが、ちゃんとしていることなのか、おかしなことなのか、判断できなくなるんだと思う」2018/08/02

有理数

17
泳ぎの上手いはずの友人の死。彼女の死の原因はクラゲにあったとして、クラゲに関しての調査を開始する少女の物語。読んでいてひたすらに傷まされ、惨めさに苛まれた。現在と過去の錯綜する構成に胸が痛くて痛くて。詩的で美しい真理を突いた穏やかな語りの群れ。それでもそれらを、ときどき粉々に叩き潰したりもする、容赦のない、無垢な残酷さ、それが語りの中に息を潜めている。それでも、傷みとの向かい方を知ったとき、人間の長い歴史、今目の前にある命、それらの見方が変わるような。瑞々しい成長物語でした。クラゲも人間もすごい。2017/12/29

izw

12
仲の良かった友だちが海でおぼれて亡くなったことを機会に話さなくなったスージーが、中学校で行った水族館で見たクラゲがきっかけで、クラゲに興味を持ち、クラゲについて探求し始める。過去の友だち関係の変化を描写する節と、現在のクラゲの探求の過程、周囲の人たちの関係の変化を記載する節が織り交ざり、女の子の心理状態の推移が浮き彫りにされていく。クラゲについてあまり知られていない事実がモチーフになった不思議な雰囲気の作品である。2017/08/15

timeturner

5
思春期の少女の気持ちが丁寧に描かれていて説得力がある。おまけにクラゲに関する知識がとんでもなく深く、面白く、怖ろしい。これを読んだらもう怖くて海で泳いだりできなくなるかも(^^;)。2017/08/24

kurumi

4
苦しみを乗り越える方法は幾らでもある。死の原因が不明な理由を探る様に、自らの心を透明なクラゲを通して“研究”していく。決して真実に辿り着くとは限らないけれど、彼女の心の毒が少しでも抜けたのであれば、苦しみの証明は、自らの力でなされたのではないだろうか。この本は科学が好きな少女の論文であり、クラゲの糸の様に透明な痛みをもたらす青い小説である。この痛みは決して無駄だと思わず、強く生きて欲しいと願う。2022/03/12

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