日本経済新聞出版<br> 世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション

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日本経済新聞出版
世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション

  • ISBN:9784532357634

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内容説明

〇情報通信技術は世界の姿を一変させ、さらにグローバル化は進む。保護主義は時代錯誤だ。貿易ではなく、知識のフローの変化こそが重要なのだ。いまこそグローバル化の真実に目覚める時だ――。本格派国際経済学者が放つ話題の書。

〇人類史上のグローバル化の歴史を整理し、産業革命以前を「グローバル化前史」、産業革命以降、1990年以前を「オールド・グローバリゼーション」、90年代以降を「ニュー・グローバリゼーション」と名づける。産業革命以降のグローバル化により、先進国と新興国という「大いなる分岐」が進んだ。しかし、90年代以降のコミュニケーション技術の進歩により、モノ、アイデアの移動の制約が著しくなくなり、グローバル・バリューチェーン革命により、グローバル化の質が大きく変化、世界の富の分布が変わり、G7諸国と一握りの新興国との経済は収斂しつつあると論じる。そして、さらなる情報テクノロジーの進歩により、ヒトの移動さえ制約が解消されるグローバル化の未来を大胆に展望します。

〇最新の国際経済学の研究をもとに、収斂が進むグローバル化のリアルな姿を、豊富なデータ、日本をはじめとする各国の経験をもとに説得力豊かに描き出します。また、従来の比較優位理論や貿易政策・産業政策はもはや有効ではない、と説きます。世界の現実を理解するうえで欠かせない必読書です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

12
モノの移動に続き、アイデアの移動コストが下がることにより、国際分業体制のもとで途上国の工業化が進んできたことに伴う世界経済の構造変化を明らかにしています。アイデアを生み出すヒトの移動にかかるコストも、テレビ会議の普及などにより下がりつつあります。どこに住んでいるのかも今ほど重要ではなくなってくると、それぞれの人が何をできるのか、どのようなスキルを持っているのか、一人ひとりの価値が今まで以上に問われることになりそうです。2018/08/31

Mc6ρ助

9
『この単純化を念頭に置くと、何が良い政策であるかがはっきりと見えてくる。・・政府出資の研究、民間セクターの研究開発への補助金、税控除、研究志向の大学への支援を通じた知識資本への投資の促進。・教育、訓練、再訓練に関連する政策を通じた人的資本への投資の促進。・インフラや社会資本への投資の促進。(p282)』お題目としてのアベノミクスは決して愚策ではないわけだ。次から次へと全力を尽くして達成するというものが出て来て、そのたびに初期化されているのか、何年経っても何か達成できたようには感じられない政策だけど・・・。2019/04/08

takeshi3017

7
著者はアイデア、モノ、ヒトの移動コストに着目して「三段階制約」論を唱える。現在でも高い対面コストは遠隔知能(RI)技術によって将来的に下がるのだろうか。未来に保護主義が台頭することはあまり考えられないと著者は言うが現在の米大統領を見てると言い切れないものがある。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou29201.html2020/08/11

kaz

2
人類の拡散から始まるため、産業構造の変化を知りたいという目的からはちょっと大部だが、グローバリゼーションの大きな動きをとらえるうえで、興味深い内容になっている。グローバリゼーションの三段階制約論の、モノ、アイデア、ヒトの三つを移動させるコストを土台にするという考え方は、非常にわかりやすいし、未来の産業構造を考えるうえでも役に立つ。この本では、ヒトの移動可能性も高くなると予想する。2019/04/04

田中太郎

1
大部だが、テレワークがある程度現実になったいま読むと、すごく示唆のある本。彼の言う第三のアンバンドル(=国境を超えた他国でサービスを提供できる)が実現すると、国内・国際競争のあり方や社会の仕組みはどう変わるだろうか?また、日本はそもそも、第二のアンバンドリングに対応した政策すら取れていないのではないか?難点は、第6章の経済理論の説明に、ロジックの飛びが多くて理解し難い点。再読する価値あり。2020/10/23

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