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内容説明
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桜には底知れぬ魅力があります。
けっこう知っているつもりでも、どのように育ち、咲き、実をつけ、枯れるのかをあらためて見ると、想像もしなかった事実や歴史に出合えるでしょう。
そこで本書では、生き物としての桜を20年以上研究している著者が、その知られざる面を中心に、50のトピックスにまとめました。
現地調査やDNA分析、歴史的資料とともに「科学的な謎解き」を楽しみつつ、「新しい桜の見方」に触れられる1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
33
タイトル通り桜のちゃんとしたお話。植物の分類って特にこういう園芸種(栽培品種って書いてるやつね)が発達したり、交雑が起きるとじゃぁどこで分類すんの?という話になるんだけど、今はゲノム分析でいろいろとわかってくるという流れで分類もいろいろなことになってるのねん。つか、学名がラテン語+英語とか(変種のとこなんかで)になっててちょっとあれ~?となるわたくし(え。でも面白いよ、これ。2019/03/23
ゲオルギオ・ハーン
22
桜の生態を中心に解説した一冊。解説されると勝手に思い込んでいる点がとても多かったと痛感した。冒頭から桜は春以外も咲くということで驚きました(狂い咲きというもので意図的に狂い咲きさせているものもある)が、開花した桜を追いかける方もいらっしゃるということにさらに驚きました。また暖かくなった頃に咲くというイメージでしたが、暖かいだけでも良くなく、特に染井吉野の場合は咲く前にしっかり寒くならないと濃い色を出せないというのには驚きました。桜の種類もたくさん紹介されているのも良かった。2022/03/25
やま
9
チョット季節外れですがサクラの本。他の本とは少し違った視点で書かれていて興味深かったです。2018年2月の出版で新しく発見された野生品種のクマノザクラの発見譚も。寒い地方でのサクラが開花後早く散ってしまう仕組みも納得物でした。数年前に新聞紙上をにぎわしたソメイヨシノの親のその後の情報など、知らないと誤った情報を信じてしまうところでした。新聞発表も確認が大切ですね。サクラに関しての納得の1冊。 2020/06/22
Yoshie S
7
新種「クマノザクラ」が去年発見された!ということで興味津々。専門知識がなくても読めるし、雑学的に な話も多く、読みやすかったです。 もともとはサクラを研究していたわけではないということですが、研究する!となったらどんどん 掘り下げていくのですね。種のルーツを探るのに、鑑定プラス名前(地名)を繋いで想像し、足で調べるあたりが面白かったです。2019/03/25
西澤 隆
7
学者はちゃんと調べる。例えば「桜花粉にエフェドリン」を否定するために話しの出所を調べ、中島らもの小説だとつきとめるのだ。らもさんは「中島らも(1952-2004)」と紹介。タイトルと刊行年まで記され読み手はソースにあたることができる。この本は、学会で発表された怪しい説が面白半分でマスコミに拾われ、否定されてもそれがいつまでもネットに残り続けるという例もいくつか紹介しながら、学者は発表に慎重かつ真摯であるべきだと言う。桜の話題が面白いのはもちろんながら、学者のファクトへの接し方の好例として楽しんで読みました2018/09/30