内容説明
専門商社に勤める宗谷聡子は、仕方なく受けた健診で卵巣に腫瘍が見つかり自暴自棄に陥っていた。そんな中、弁理士の堂島との出会いが彼女を変えていく。付き合いを重ねるごとに想いが募るが、聡子は堂島の隠していた過去を知ってしまう。湧き上がる嫉妬と焦り。この人の子供を産みたい。やがて彼から突然の別れを告げられ、絶望に沈んだ聡子は禁断の行為に出る――。一途に追い求める女性の執念を描いた、偏愛サスペンス長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
74
よく女性の執念深さは怖いとか言うけど、本当のところ、男性のそれ(執着心)には叶わない気がする。不器用な一本気は男性のサガだし。なので、この聡子さんについては、変わった(極めて男っぽい性格の)女性だなぁっていう見方で終始読みました、私は。なので、終盤の展開については逆に違和感なくすんなり読めました。さておき、全体的にダラダラと長い。この半分の頁数で書けるだろぉっ、などと、不束ながら思った次第。2018/04/11
James Hayashi
24
初読み作家(女性)。恋愛が語られるが感情が揺さぶられるわけではない。灰色である。読み始め、ホラーか嫌ミスかと思うほど明るさがない。そして行き着く恋愛の果て。さらにサポートする旧友。染色体のXYを表すタイトルが意味深い。2020/06/13
なえ
6
愛していれば、何をしても許されません。 聡子が怖いというか気味悪い。 男性の人はくれぐれも気を付けて。笑2019/07/22
まゆこ
5
★★★☆☆2018/11/05
R2
5
「愛していれば、何をしても許されるのか」普通これは殺人者に対して言うセリフ。なのに、これは死じゃなくって「生」、生みの苦しみを描いた小説。これは今までなかった。「喉からでるほど欲しければ難しさかどうとか考えはない。~無傷で手に入るものなら、元々たいしたことはないんだ。」とてもとても胸に刺さる。今の仕事を完成させたい。そりゃ楽しく終わりたい。けど、今も傷付いてる。投げ出したい気分になる。けど、それじゃ意味ないのか。この小説は仕事という次元ではなく、その人との子供が欲しいと願っている。自分が生きた証として。2018/05/13