内容説明
おんぼろアパートの一室にある『佐能探偵事務所』。未来視の力を持ち、眼帯をつけた高校生の戒が社長で、社員は彼の兄である新(+猫一匹)のみ。ただし最近は、父親の浮気調査を依頼しにきたことのあるクラスメート・美姫が入り浸るようになり、事務所の中は今までよりも少しだけ賑やかになった。けれど肝心の客はめったに訪ねてこない。しかし、事件は意外なところから始まり…? 【目次】【最初の手紙】/プロローグ/第一章 歯車の世界―幸福論―/第二章 ひずみの国―絡み合う幻影―/第三章 世界軸の少年―閉ざされた扉―/第四章 見果てぬ狂気―過去回帰―/第五章 シュレディンガーの猫―沈黙する者―/エピローグ/【最後の手紙】
目次
【最初の手紙】
プロローグ
第一章 歯車の世界―幸福論―
第二章 ひずみの国―絡み合う幻影―
第三章 世界軸の少年―閉ざされた扉―
第四章 見果てぬ狂気―過去回帰―
第五章 シュレディンガーの猫―沈黙する者―
エピローグ
【最後の手紙】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
56
タイトルも表紙も版元もなんとなくほっこり日常の謎だと思っていたら、タイムリープとタイムトラベルとパラレルワールドのがっつりSFでした。探偵要素はまるでなかった……業務を全然してないですよ?絶対に前作がどこかにあるはず!という様な設定だったけれど、単体の作品との事。前日譚の方が何だかパタパタしていて面白そう。最後は綺麗におさまっていて良かったけれど、中盤人が死にすぎて感覚が麻痺する。死を記憶し続ける姫の気持ちが少しわかったような気がします。戒が姫のお父さんに言われるあれやこれやの様子は想像するだに愛らしい。2015/06/11
蝶よ花You
37
最後の5ページで「そういう事か!」と心躍らせたのは言うまでもない。高揚感でニヤリと口角が上がるのも否めない。そのくらい面白かったと言い切れる作品。「時の世界」を螺旋状に駆け抜ける女の子の話。「時をかける少女」を参考にすると尚頭に入りやすいかも?時をかけるという点で、その能力を持った者に対するありがちなツッコミ要素はある。お約束事、と飲み込まねばならない部分もある。でも、それがあっても尚、個々の人物の魅力と先で何が起こるのかと期待させる魅力がある。読み進める怖さも確かにある。しかし、それを含めて面白い。2015/08/22
むつぞー
24
「探偵事務所の業務日記」でミステリ的な物を期待していたんだけど、実際はSF。未来視だけでなく、タイムトラベル+並行世界です。 タイムトラベルで事態を変えようというのはよくあるけれど、そこに並行世界までプラスする所も素晴らしいなぁ。 そこまでする美姫の頑張りがあって主役は彼女だと思う。 ということで、想像していたのとは全く違ったけど、若干詰め込みすぎな気もするけど、でも面白い作品でした。 できれば、タイトル通りの「探偵事務所の業務日記」な話も読んでみたいかも。2014/05/26
ううち
18
タイムトラベル・タイムリープ・ワールドチェンジなどが盛りだくさんのSFモノで、スピード感があってさらりと読めました。美姫ちゃんと戒くんのやりとりが微笑ましい。物語の設定やキャラクターは非常に魅力的なのですが、これは続編なのかな?探偵事務所の業務日記的なところも読みたかったです。2015/02/19
もも
17
あらすじ読んで、ミステリーかと思って手に取りましたがSFでした。未来視の力を持つ少年と、彼を助けようとする女の子の話。ほのぼのとした話かと思えば、どんどんシリアスな方向に。作品としては彼を助けようとする美姫の一途さと強さが印象的でした。この話の前後の話読んでみたいなあ。この設定、『時をかける少女』を思い出しましたが、そう言えばそれも読んだことない。今度読んで見よう。2015/12/20