内容説明
元夫・井上ひさしとの、すさまじくも濃密な人生から、今伝えたいこと
失敗から、家族の本質が見えてくる!
家族とは? 夫婦って?
◎夫婦をまっとうすることは、大事業を成し遂げることに等しい。
◎家族が家族でいられるのは難しいこと、一時的なこと。本質は別れていくことにあります。
◎嫌なこともたくさんあったはずなのに、それよりも楽しかったこと面白かったことを思い出すようになります。
◎戦場を共にした戦友は、男女を超えた深い結びつきがあると言います。
私たち家族は井上さんと私を隊長にした戦友だったと思います。文字通り傷も負ったし血も流しました。
◎老いてからは、家族と過ごした時間を思い出すのが何よりの「宝もの」。
【もくじ】
序 私にとっての「家族戦争」
第一幕 異なる夫婦のどっちもどっち 家族の黎明期
第二幕 神よ! 悪魔よ! 原稿よ! 家族の盛期
第三幕 悩み苦しんだ親子の巣立ち 家族の衰退期
第四幕 切っても切れない深い結びつき 家族の晩期
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃとら
52
【図書館本】『十二人の手紙』を読んだ時に、読友さんのコメでこの本を知った。井上ひさしさんは知っていたが、私生活はまるで知らず、ましてや病的なDV夫だったとは驚きでした。その暴力の凄まじさ、骨折、鼓膜破裂、救急車😖わざと奥さんの両親の前で暴力を振るう意地悪さと絶句でした。その立場でよく『東慶寺花だより』が描けた物だと不思議になりました。2023/10/08
Kei
41
本書は、林真理子さんの週刊紙エッセイで知る。出版界の忖度。みんな知っているのに誰も書かない。日頃、正義をかざしあらゆる事を糾弾しているようにみえるが、マスコミも一企業。気をつけないとね。ネット以降、情報の収集選択はフェイクも含め、我々の自己判断の時代です。井上ひさしさんの騒動はうっすら覚えているが、まさか、こんなだったとは?オプションもつけて、個人談を普遍的に。なのに、ひさし氏のギャップが凄すぎて、普遍的になりませんでした。2018/08/19
テツ
31
綺麗事だの反戦だのを偉そうに語りながら家庭ではクズそのものだった井上ひさしという人間が大嫌いなのだけれど、元奥様の書かれたこちらを読んだら更に嫌いになった。自分の身近にいる一番大切にするべき人間に好き勝手に暴力を振るうような奴の語る美しい言葉、そんな奴が理想とする美しい世界にどんな価値があるんだろう。理想を掲げるのは結構なことだけれどまず最初に自分の抱える小さな世界を愛と平和で満たさなければいけない。2018/04/29
みゆき
17
井上ひさし氏の元妻が語る結婚生活。「馬鹿と天才は紙一重」という。作家としては天才だけど、良き夫、良き父親という面では失格。家庭人としては最低だ。いかなる理由があろうともDVは許されないけれど、一方的にここまで暴露するとはね。井上氏にも言い分はあるんだろうな。何故もっと早く離婚しなかったのか?理解に苦しむ。どっちもどっちの気がした。「老いてからは、家族と過ごした時間を思い出すのが何よりの宝物。」だったら、西館氏は墓場まで持ってったら良かったのに。(こう言ったら身も蓋もないけれど)2023/06/30
カタコッタ
14
本書は林真理子さんのエッセイで知り、心底驚いて読みました。出版界では知られていた事でも、立場上公にはできなかった事なんでしょう。著者も亡くなった元夫の事をよくもしゃあしゃあと書けたものと思いますが、今のこの時代でなければ恐らく本にはならなかったのでは。どちらにしても、暴力をふるう人間は私は許さない。井上ひさしさんが再婚された相手には、DVの被害はなかったのでしょうか。しかしながら意地悪な井上ひさし氏を私はどうしても想像できない。忙しい夫婦の相性が悪くなってしまった、それだけの事かもしれません。2019/07/16