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内容説明
四世紀末から七世紀後半にかけて、大陸・朝鮮半島から日本列島に移住した渡来人。その有力集団は「ウヂ」を名乗り、大和政権に奉仕した。大和政権は最先端の技術・知識・文化を有した彼らを積極的に登用、やがて律令国家が形成された。渡来氏族はまさに古代国家形成の立役者であったが、その功績はもちろん、存在すら明らかでないものも多い。彼らが出自や移住の経緯を改め、さらに政治の表舞台に上がることが少なかったからだ。東漢氏、西漢氏、秦氏、西文氏、難波吉士氏など、氏族ごとに職掌から盛衰までを追い、謎に包まれた実像に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
34
東漢氏、西漢氏、秦氏、西文氏、難波吉士氏、とにかく知らないことばかりで楽しい。◇古代の「氏族」と「姓」は、その後の「家」や「名字」と違う。カバネが変わるのは朝廷から与えられるのだからともかく、氏族の移籍や出自の変更って…。必ずしも血縁的なつながりではなく、地縁や得意なこと、環境上与えられた役割から、集団が氏族として構成されていったこと、その性格を、限られた一次史料から浮き彫りにしていく。古墳時代から平安初期まで、この時代を一国だけでは考えられない、そして、朝鮮半島と一体で考えるには渡来氏族は必須の存在だ。2017/10/01
とし
11
渡来系古代氏族についての概説本。秦氏について知りたかったので勉強になったけど、まあ難しい。古代はそもそも固有名詞の漢字の訓みが普通じゃないから、初心者には非常に難解な本だと思う。「東漢」をヤマトノアヤと訓み、「西文」をカワチノフミと訓むとか、知らなきゃまず不可能だし、知っててもいちいち脳内変換するのが面倒で、とにかく読みにくかった。内容は面白いんだけどな~。特殊な訓みに慣れるまでは大変。2017/09/17
新父帰る
7
「新撰姓氏録」と「日本書紀」をベースに代表的な渡来氏族と王権との関わり、外交分野での活動を紹介。ほとんどが朝鮮半島からの渡来で、約300年間でその大きなうねりは三波に分かれる。まず第一波は4世紀末から5世紀初頭、第二波は5世紀後半から6世紀初頭、第三波は7世紀後半。それ以降徐々に日本人と同化して行く。今日の日本人の血には、何らかの形で渡来人の血を受け継いでいるらしい。何故当時の先進生産技術・文化・学識を有した渡来人が日本の王権の支配下に入ったのかは一つの謎であるが、国を失った民を王権が篤く遇したのも事実。2017/07/15
スプリント
2
基礎知識が少なすぎて途中からついて行けず。秦氏くらいしかわかりませんでした・・。2017/08/05
転天堂
1
ここのところかなり関心が高くなっている、古代の渡来人(帰化人)について代表的な氏族の動向を中心に考察している。記紀の記述の意図をもとに断言することは難しいが、渡来氏族の集団化の過程を分類・整理して考えることは必要だと思える。2025/10/10