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内容説明
AI、宇宙探査、独裁の再来、核戦争の恐怖……、現代世界で起こるあらゆる事象は、小説家やアーティストたちによる「フィクション」が先取りしてきた。同時に、学問研究や科学技術の進歩が、新たな創作への想像力を掻き立てる。まさに現実とフィクションは互いに触発し合い発展していく。憲法学者とSF作家の希有なコンビが『指輪物語』『飛ぶ教室』等の名作を参照しながら政治、経済、科学を縦横に巡り来るべき社会を構想する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
124
「選挙は詩だが統治は散文」という。選挙では有権者に美しい夢物語を描いてみせるが、実際の政治や行政は法律やしがらみに縛られた泥くさい仕事だと。そんな理想と現実の落差を人は当然と受け入れてきたが、ネットで自分と同じ価値観や世界観を持つ者と繋がるようになると「現実を壊してでも理想に近づけたい」と考えるようになった。法学者とSF作家との対話から、社会を動かす物語の力が増大して現実を打破できるかもとの夢を摑んだ状況が見えてくる。右も左も理想を追い求めるロマン主義者が力を持った時、政治や社会の分断は当然の帰結だった。2026/04/26
かみぶくろ
96
有名な憲法学者と聞いたことのないSF作家による高度な雑談集。トランプ的不寛容な社会への処方箋を、ああでもないこうでもないとリベラルな立場から議論しているが、別に物語が社会をつくる話はしておらず、正直タイトルは要旨とズレている。法学的な社会デザインの発想や、AIによる諸問題の解決の提言はとても興味深かった。しかし、右とか左とか、なんでもかんでもパッケージ販売で考えるんでなく、個別具体事案ごとに論理的かつ科学的に解決を導くってことが、なんで人類にはできないんだろう、本当に悲しいね、ってのは単なる個人的嘆息。2018/03/18
きいち
28
タイトルから想像したものとは違ったが、憲法学者と物語作家、異種の専門家同士が指輪物語はじめ共通点から繰り広げる対話は随所にいいネタがちりばめられてておもしろかった。法律は過去の失敗踏まえて予防線として作るもの、なるほど。◇90年代の大人数ゲーム(なんと郵便使用、すげえ)「蓬莱学園」のゲームマスターだったという新城の、「反省するのが嫌」と感情を優先する人びとにどう対処するのか、という課題感。じゃあどうする、に答えはないが、二人とも諦めてないのがいい。◇指輪物語、ハマるの怖くて未読なんだよな、読みたくなった。2018/03/31
*
23
とても想像力をかき立てられる一冊でした。『指輪物語』、未経験なのでいつか挑戦してみたいです。物語は立法のシミュレーションになる、という話は面白かった▼『華氏451』が恐ろしいのは、いわゆる焚書坑儒のように、独裁者が本を燃やしたのではないから。市民の方から書物を手放し、わかりやすい映像の刺激に甘える道を選んでしまう「過ち」が、全体から感じられて怖いのだ。2019/08/25
sayan
23
法律SFなど、思想実験、社会実験など対談の展開を楽しみに本書を手に取った。が、蓬莱学園など対談の元ネタにほとんどなじみがなく面白みを感じ得なかった。ポイントポイントではいくつか興味を引く内容もあった。例えば、p.172-174の法適用の前提条件を法は確保できない、p.190-191で正当性と正統性をめぐる箇所で、正解を選ぶ手段と感情をあやす手段がずれると新たな挑戦に直面する、を巡る議論は新鮮だった。また、ディストピア小説で、知識の秘匿は帝国の安泰、安定、未来を確保できない、という下りは非常に興味深かった。2018/06/03
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