ベスト新書<br> 司馬遼太郎で読み解く幕末・維新

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ベスト新書
司馬遼太郎で読み解く幕末・維新

  • 著者名:小谷野敦【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • ベストセラーズ(2018/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784584125724

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内容説明

難解な幕末・維新を、今こそ紐解こう!

同書は、幕末・維新を舞台とした司馬遼太郎の小説・評論等を通して、幕末・維新を改めて考える一冊である。
登場人物の多さ、複雑な人間関係、そして人々を突き動かした思想。
「幕末・維新は、難解だ」――。こう感じている読者はぜひ読んで欲しい。
比較文学者・小谷野敦氏が、この難解さを、現在の繋がりの中で考え、鮮やかに紐解いていく。

私にはむしろ、今の日本にはすでに尊王攘夷思想が瀰漫していると思える。
「攘夷」とはこの場合、「反米」であり「護憲」である。
地政学的に西側に北朝鮮、中華人民共和国、ロシヤのような危険な国々を控えている日本は、
憲法九条を改正して米国と連携するのがベストだが、それを理解しない精神論が、反米護憲である。(「あとがき」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

60
司馬遼太郎の幕末明治物についての本。たのく読了。確かに時代は尊皇攘夷である。余談になるが、司馬遼太郎の『燃えよ剣』を読むと、子母澤寛が『新撰組始末記』で書いた通りには書いていない。私の記憶が正しければ、美男だった土方歳三や原田左之助をハンサムにしていない。ヒラメ顔だった沖田総司を美男に書いている。丸顔だった山南敬助を頬のこけた陰気な男に描写している。子母澤寛の新撰組物には実録に見せかけた創作が多いと言われ、近年の研究家に暴かれているが、司馬はそれを執筆の段階で見抜いていたのではないかと思えてならない。2018/02/13

てつ

49
筆者は同級生。多少ではあるが関わったことがある。自伝には私のことも比較的好意的に書いてくれている。そんな縁で何冊か氏の著作をよんでいる。この本は幕末から明治の知識がないと読み込めない。自分には知識が足りず、理解できないことも多かった。共感できることも少なくないのだが。2019/01/05

金吾

30
スローガンと実態は全く異なることは空気に支配されやすい日本においては多々ある話であり、尊王攘夷もその一つなのだろうなと思います。一番よかったのは年表であり、ある時期の多作ぶりに超人だと感じました。全体としては司馬遼太郎さんに寄りかかった一冊でした。2022/01/10

kokada_jnet

23
司馬遼太郎の小説の問題点を、猫猫先生らしく、細かく指摘していく一冊。『胡蝶の夢』での、主人公・司馬凌海の、天使みたいな描きかたは、自分も非常に気になっていた。江藤新平を主人公にした「歳月」が、いい作品であることも、同感。2018/02/15

軍縮地球市民shinshin

14
司馬遼太郎は国民作家だが、実は一冊も読んだことはない。本書は幕末・維新期の司馬の作品から説き起こした著者の幕末維新論のようなもの。西郷隆盛が精神論だけというのは、同意見。勝海舟の操練技術も未熟だというのは、冷静に考えれば分かる。海軍の父と呼ばれているのが、実力は伴っていなかったということか。2018/03/12

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