内容説明
インテリジェンス教育を行う日本初の専門機関、陸軍中野学校。一九四〇年に誕生し、敗戦とともに消滅する。二千三百余名を数える卒業生は、中国大陸や南方アジアの戦地へ送られ、諜報活動、ゲリラ工作などに従事し、命を落とす者も少なくなかった。秘密戦工作のこの壮大な実験は、いまだ全貌が明らかになっていない。公文書をはじめ、新たに発見された資料を用いてその実像に迫り、歴史的意義を検証する。陸軍中野学校に関する最良の研究書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
13
11月の筑摩選書新刊。著者は早大及び一橋大の名誉教授(情報史)。38年に中野囲町に“防諜研究所”として誕生した陸軍中野学校を考察する。同校については多くの関連本があるが、終戦に際し徹底的に資料が焼却されたため、規模や教育内容など、全容が見えづらいとされる。著者は多くの資料と証言を収集・分析している。私などは中野といえば残置諜者や謀略戦ばかりを想起してしまうが…「予備士官学校或は教導学校においてトップクラス」の優秀者が選抜され、語学を中心に相当な教育を施されているから、出身者は各所で重宝されたそうだ。2017/11/21
Honey
8
名称だけは聞いたことがある…程度にしか知らなかった「陸軍中野学校」、概略がつかめた気がしました。2019/02/22
keint
5
陸軍中野学校について解説された本。陸軍中野学校については在学生による体験談などが多いが、本書は本格的な学術書である。戦局によりスパイ養成からゲリラ戦指揮官養成へと変わったということが印象に残った。
onepei
4
「目立った活躍はない」理由として、 ・少数精鋭の裏部門だから表には出ない ・学校の教育方針もしくは陸軍の方針が間違っていた 現段階ではどちらにでも受け取れる。2017/12/16
すみの
3
参考文献一覧が欲しかった。中野学校について初心者が調べ始める時と良い取っかかりになると思う。 内容は良いが時折、「アメリカ人は価値ある情報を敵に話すバカである」など偏向的な表現が見られるのが残念2019/01/29