集英社新書<br> 松本清張 「隠蔽と暴露」の作家

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集英社新書
松本清張 「隠蔽と暴露」の作家

  • 著者名:高橋敏夫【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2018/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087210163

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内容説明

社会全体に陰鬱な雰囲気がひろがりつつあるこの時代に、松本清張が再び求められている。本書は清張の表現の核にあった「隠蔽と暴露」の方法をたどる。そして、清張の作品をとおして、わたしたちが日常で感じる社会や国家への「疑い」を称揚し、そこにひそむ秘密を見抜く方法を明らかにする。戦争、明るい戦後、政界、官界、経済界、社会的弱者、宗教など、清張が精力的に描いたテーマは多くあるが、戦後最大の隠蔽装置ともいえる「原子力ムラ」にふみこまなかった清張の謎にも迫る。 【目次】はじめに 松本清張がよみがえる/第I部 松本清張、人と方法/第一章 松本清張とは誰か/第二章 「隠蔽と暴露」という方法/第II部 隠蔽する力に抗う試み/第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』/第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』/第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』/第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』/第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』/第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』/第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』/第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」/おわりに 松本清張とともに/主要参考文献

目次

はじめに 松本清張がよみがえる
第I部 松本清張、人と方法
第一章 松本清張とは誰か
第二章 「隠蔽と暴露」という方法
第II部 隠蔽する力に抗う試み
第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』
第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』
第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』
第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』
第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』
第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』
第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』
第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」
おわりに 松本清張とともに
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

65
今読まれるべき作家のひとり、松本清張。晩年に構想し、ついに書かれなかったという原子力研究所のお話はできるなら読んでみたかった。2018/01/26

hatayan

55
松本清張の作品を「戦争、政官財、暗い恋愛、占領期の混乱、神々」といった切り口で解説。現在でも入手できる作品多数。推理小説の手法で国家の機密に迫ろうとした『日本の黒い霧』『昭和史発掘』など、清張はノンフィクションも多く遺しました。最晩年、清張は原発をテーマにした推理小説を構想するも果たせずに83歳で逝去。もしも現代に清張が生きていたらと著者は空想しつつ、清張の影響を受けた宮部みゆき、東野圭吾、高村薫、横山秀夫らを挙げ、都合の悪いことを隠す国家を批判的に考察するに際して清張の作品を読み返す意義を強調します。2020/10/20

おさむ

38
「事件が起きると、これは松本清張だなと思う事がよくある」と著者は言う。社会派推理小説の金字塔とされた彼の作品群が今なおドラマや映画になるのは、人間というものを負の側面から描いているからではないか。最近は正の側面からの作品ばかりだから余計に際立つ。さらに著者は、「勘ぐりや邪推こそが清張の出発点」とも指摘する。2019/04/23

ミエル

30
期待値が上がっていただけに、冒頭の思想が強すぎるところが苦手で斜め読み。各作品の解説にも公平な視点がないのでは?と穿った捉え方をしてしまった。(結果、そんなことはなかったけど)個人的に右左どちらの思想でも強すぎる主張は苦手。ムーディー勝山ばりに右から左へ受け流す読書になった。松本清張を左翼ジャーナリズムの観点から紐解いているのだけれど、比較対象の現代のジャーナリスト群が微妙。トリッキーな手法で際どい発言を繰り返してはSNSで炎上している方たちばかりでは、松本清張と肩を並べるレベルではないような気がする。2024/12/20

ヴァン

10
 清張の作品群を下敷きに著者が自身の主義主張を展開している体裁で、本としての構成、松本清張論としての奥行きとしては、今一つ物足りない。『日本の黒い霧』に収録されている事件なども、今の視点でみると論理展開に無理がある。事件の背後にGHQが黒幕として存在していた、という清張の論旨は、いま読むと乱暴なところがある。新しい清張論が欲しいところである。2018/11/25

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