内容説明
あの夜に小さな命が芽生えたことを、彼は知らない。数々の賞に輝いたレジェンド作家の、傑作復刊。
殺人事件を目撃したため犯人に狙われているデボラは、護衛のために現れた男を見て驚愕した。アシュ・マクローリン――わたしが愛した、最初で最後の人。デボラは幼い頃からアシュに恋焦がれていたが、彼が振り向くことは決してなかった。11年前、傷心だったアシュをなぐさめたい一心でデボラが純潔を差し出した、ただ一度のあの夜をのぞいては。だがその直後にアシュは町を出て、以来二度と戻らなかった。そして今……。デボラはアシュのまっすぐな瞳を受け止め、密かに身を震わせた。彼には打ち明けていない、秘密があったから。
*本書は、シルエット・ラブストリームから既に配信されている作品のMIRA文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
19
ダンディー警備会社のシリーズだったのね。結構な数読んだつもりでもこれは未読。殺人現場を目撃したデボラに脅迫状が届き、娘の身を案じた母がアシュを探し出しボディーガードとして雇ったことで11年後に再会。アシュはデボラのいとこにのぼせあがった挙句手酷く振られ傷ついたと思っていたが、懸命に学び底辺から這い上がった証明として上流階級の妻を求めていたに過ぎなかったと気づき、デボラの誠実さ、気高さに改めて惹かれる。デボラの秘密、可愛いアレン、母の病、意外な展開を見せる事件、シリーズものでも単体で読めるし読みやすかった。2021/07/23
mum0031
4
不動産会社経営デボラと、ボディガードのアッシュ。 殺人事件の目撃者デボラのボディガードとして、幼なじみのアッシュが呼ばれる。 二人の間には、アッシュの知らない息子がいて、デボラの弟として育てられていた。 デボラって、面倒な女よね?自分と、同じように愛してくれないなら結婚しないとか?残酷な仕打ちをされたアッシュが可哀想! 途中で気づいたけど、再読でした。2019/05/20
Ogicch
1
男に捨てられた挙句、身ごもった未成年の娘の父親が体裁のために子どもを弟として育てさせるってのは、横溝正史の世界にありそうだけど、ヒロイン母があっけらかんとしててあんまり罪の意識感じてなさそうなのが、気になった。 別れさせといて、今度はくっつけるって、なんだかな~。2018/10/04