内容説明
西郷隆盛や小栗忠順は何がすごかったのか? “武士”はどのようにして滅んだのか?──実は謎の多い幕末・明治の実情を巨匠が語り下ろした『NHKブックス「明治」という国家(上・下)』は、ベストセラー&ロングセラーとなり、日本人の「明治観」の基礎となった。従来の上下巻を読みやすくまとめた新装版、この一冊で幕末・明治の空気が実感できる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
80
江戸から明治に変わる時代に一体何が起こったのかを、著者ならではの一筆書きのような語り口で一気に読ませる11章。イデオロギーではなく、リアリズムを通して、「座布団の下の話」として「坂の上の雲」など小説のモデルになった人々のエピソードなどから、1868年から1912年まで44年間つづいた「明治国家」を語る。司馬史観は現代から見ると誤謬も指摘されるが、歴史とはそれを語る人ごとに見方が変わるということを前提にしても、勤勉と自律、自助をモットーに「明治国家」を生きた人々への著者の圧倒的な信頼と熱い想いに圧倒される。2020/12/09
Book & Travel
44
息子が学校で近代史を習っていて色々聞いてくるので、改めて明治時代の本をと手に取った一冊。様々な切り口で明治国家を捉えた11章から成る。「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」辺りで触れられた人物や余談も多数登場。久々に読む司馬さんの語り口が心地好い。小栗忠順、滝廉太郎、新島襄といった小説にあまり登場しない人物の話も興味深い所が多かった。明治の見方・評価は様々で、後の軍国主義に繋がる部分には複雑な気持ちにもなるが、侍の国から近代国家を作ろうと無私の心で奮闘した人々の姿からは、大いに学ぶべき事がありそうだ。2022/11/11
ばんだねいっぺい
25
なるほど、司馬さんより、荒俣さんの方が合うのだとわかった。司馬さんは存外、日本史以外の方が面白いかもしれない。咸臨丸のくだりは、比較ができて、楽しい読書となった。2024/12/28
ちゃま坊
19
先日読んだケン・フォレット「火の柱」ではカトリックとプロテスタントの対立の歴史を描いていたが、なんとここにもリンクしていたのか。勝海舟の学んだ蘭学はオランダ、咸臨丸で向かったのはアメリカ。明治という国家ができたのは、プロテスタント国家の力が大きいと言う。カトリック国家はフランス以外はどうもふるわない。明治6年まで日本はキリシタン禁制を続けていたというが、キリシタンとはカトリックのことを指すらしい。2021/11/03
アマメタル
13
まさしく「明治」という国家の成り立ちについて丁寧に余談を挟みつつ書かれていて、まるで同じ作者の長編小説を読んでいるようなワクワク感があった。 明治国家という「遺産」があったからこそ今の自分は成り立っているんだなぁと。 坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟など幕末の英雄達の名前がたくさん出てくるためイメージがしやすく退屈せずに読めました。 再来年の大河ドラマの主人公小栗忠順についての記述もあるためおすすめ。2025/06/04
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