10万個の子宮

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10万個の子宮

  • 著者名:村中璃子
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 平凡社(2018/02発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582513356

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内容説明

日本人初の快挙、ジョン・マドックス賞受賞!
日本では2011年から公的補助が始まり、2013年4月には定期接種となった子宮頸がんワクチン。しかしそのわずか2ヵ月後、国は積極的な接種の推奨を一時見合わせた。ワクチンを打った少女の親たちから、けいれんや記憶力低下など、神経の異常を思わせる症状がわが子に始まったとの訴えが起こったためだ。その後、ワクチンが症状の原因という科学的根拠は見つからず、ワクチンの安全性と効果が国際的にも確立されたにもかかわらず、日本ではワクチン接種の見合わせは継続されたままだ。
現役の医師でありジャーナリストでもある著者は、3年にわたり、被害を訴える少女や親、症状から回復した女性、複数の診療科の医療関係者、行政関係者などへ膨大な取材を行ってきた。少女たちの身体の症状が本当に訴えていたこととは──。サイエンスにもとづき、子宮頸がんワクチン問題の背景と日本社会の闇に切り込んだ、衝撃のノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

114
ワクチン反対派の出鱈目な言い分を科学的データを挙げて完膚なきまでに叩き潰してる。私は勿論接種推進の立場だが、ワクチン後進国の我が国で異例の速さで定期接種となり、一人6万円ぐらいの費用が税金で賄われると聞いた時には、製薬会社と政治家の間になんかあったのではと思った。他科の医者は身体表現性障害(ヒステリー)を甘く見過ぎ。ワクチンの必要性を十分啓蒙せず接種を進めた印象がある。メディアの対応も悪かった。ヒステリーは性別年齢問わず多い疾患です。でも治療法が確立されてないから知られてない。新コロワクチンと治療薬が心配2020/11/22

ゆみねこ

114
思春期の少女たちに行われた子宮頸がんワクチン接種。接種することでガンを予防できる、夢のワクチンであったはずなのに、激しいけいれんをともなう副反応が相次いだため、接種は中断され再開の目処はたっていない。とても難しい問題ですが、ガンになり手術し、その後幸いにも子供を授かることが出来た身内。彼女と話したこと、ワクチンは絶対受けるべき。接種を躊躇っているうちにガンになってしまったら…?色々な障害を乗り越えてこの本が出版されたことに敬意を表したい2018/06/10

mukimi

106
自分も一人の医師としてこの場を借り頸癌ワクチンは接種すべきだと伝えたい。日本産婦人科学会は厚労省へ繰返しワクチン接種再開を訴えているが国は動かない。本書は告発であり壮大なノンフィクション小説だ。先進国日本が科学的根拠よりも感情論に左右されるに至った経緯がよく理解できた。元来10代の少女達に一定数起こる身体表現性障害が副作用として過剰に注目されてしまったのだ。そこには、扇情的な話題を提供し視聴率を稼ぎたいマスコミと、権威を悪用する医師達の醜いプライドがあった。自分は科学にも患者にも誠実な医師でありたい。 2020/03/02

鱒子

69
図書館本。ワクチンの冤罪と「報道しない自由」の恐怖。当時の偏向報道によって子宮頚がんワクチンを見送ったわたしには辛い読書でした…… 。しかし、科学的根拠を持たず感情だけが先走った、あの当時の報道には呆れるばかり。報道には恐ろしいほど影響力があるのです。無視でもバッシングでもない適切な報道を希望します。2019/06/24

なると

45
子宮頸がんワクチンについて、痙攣などの副作用の為に任意接種になったことや、不妊になるという陰謀論めいたものを目にし、娘に接種する否か判断する為。副反応については科学的データを根拠に否定し、ただでさえややこしい年代にある心因性のものと結論。少女達はワクチンのせいだと不安をつのらせて症状を悪化し「真っ当な医師」よりも、薬害だと断じ一緒に戦ってくれる医師や弁護士、自称ジャーナリスト達が自分を救ってくれるのだと信じ回復を遅らせる。「薬害を見つけた」ということで利権を得る支援者なのに…私達が考えないといけないのは→2021/02/13

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