角川新書<br> 目的なき人生を生きる

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角川新書
目的なき人生を生きる

  • 著者名:山内志朗【著者】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • KADOKAWA(2018/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040821344

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内容説明

人生を意味だらけだと思うと、「つまずきの石」につまずく。
死ぬまで競争? 勘弁して。自己実現など、小賢しい。終活、就活、余計なお世話。
それでも世間はやかましい。
社会に煽られ、急かされ続ける人生を、一体いつまで過ごせばいいのか。
「それは何のためだ、何の役に立つ?」世間は「目的を持て!」とうるさい。
しかし、人は生まれる前にその問いを立てたのか、死ぬ直前にその問いを立てるのか??
「人生に目的はない」。そう考えた方が豊かな人生を過ごせると、反倫理を倫理学者が真面目に提示する。

『小さな倫理学』を唱える著者が贈る解放の哲学。

■人生の答えはありそうだが、ないという形式でしか存在し得ない
■「幸せ」とは道路標識のようなものでしかない
■人生に目的があったら、生きる必要などない。「なぜ」なしに元気を出せることが大事
■権力好きの本質は、他者から評価されること、褒められることや意識されることを何よりも求めることである
■人生論にしても幸福論にしても、一枚からなる決定版の処方箋を求めようとしてしまう。そんなものはない、いやあっては困るのだ。
■後ろ向きに後ずさりしながら未来に向かおうとする
■<私>とは、光源ではなく、奈落、根底、暗闇、深淵なのだ
■友達の多い人は他人を攻撃することも得意な人だ
■現世において成功している者を来世においても成功させるために、つまり現実世界を二倍化するために宗教はあるのではない
■強すぎる感情は依存症だ。
■目的がないとは、予めないということであって、最初から最後まで、現実化しないということではない。目的は最後に現れるのである。
■目的は存在しない。目的は作るものだから。
■人生は評価されるためにあるのではない。それが「尊厳」ということの意味である

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

27
読み終わった感じは悪いものではない。スコラ哲学に傾倒してスピノザの『エチカ』にたどりついたご様子。引用「人生は偶有性の集積と考えることもできる。しかし、人生が偶有性の集積だとすると、さいころを転がし続けるようなことが人生ということになり、目的は見失われる。」「目的がないとは、 予めないということであって、最初から最後まで、現実化しないということではない。目的は最後に現れる。」「しかし、人生は評価されるためにあるのではない。それが「尊厳」ということの意味である。比較不可能であり、評価不可能なのだ。」 2018/03/21

しゅん

21
「目的」は後からしか発生しないという本文中の一節に従うように、本書は主旨を明らかにしない書き方になっており、話が煮込まれていくかと思いきや中断して次に進み、似たような話が別のところで現れるような感覚を生む。曖昧さに留まることを主張しており、空白を「器」として肯定する。全く卑近な話だが、仕事中に何も考えたくない時に(しかしやらねばならないことが迫ってる時に)、何もしないことに賭ける必要もあるなと考えたりしている。自らのアトランダム性を受け入れる、みたいなこと。2022/02/14

テツ

17
人には確固とした生きるべき理由などない。どんな人にもそれはない。あなたが今生きる理由があると思っているのならそれは幸せな錯覚だ。ただ大きなテーマとして、大きな運命としての存在理由はないとしても、小さな生きる理由というものは日々の暮らしの中にいくつもあってその積み重ねを糧に人は生きていけるのだとは思う。人生には目的も価値もない。ぼくの存在もそれは同じだ。目的も価値もない。ただそうしたことをしっかりと自覚しながらぼくが生きることにはきっと価値があるのだと信じたい。2020/07/03

まる@珈琲読書

12
★★★★★ ■感想:「楽しき生きるって何?」という題目で学生と語り合う機会があり、参考にと本書を手に取った。想定以上に濃い内容で読むのに時間がかかり当初の目的には間に合わず。しかし、自分が考えた内容を整理するのに参考となった。仕事や学習では目的という指標があった方が楽だが人生では目的にこだわる必要はないと思う。 ■学び:裁く倫理よりも救う倫理。真空恐怖。何もないこと、何もしないことも豊かさの器。目的は存在しない、目的は作るものだから。人生は評価されるためにあるのではない、それが尊厳ということの意味である。2018/09/25

amanon

9
一貫した流れがあるわけではなく、時に晦渋な表現も散見されるが、それと同時にはっと驚かされる言葉も少なからずある哲学エッセイ。人生の終わりがある程度見えてきた年齢に達し、自分の人生に果たして目的といえるものがあるのか?目的に向かって進む人生ももちろんありだろうし、それを著者は敬遠はしても、全面から否定はしないだろう。つまり、最終的な目的を設定するのではなく、その時その時で人生に意味を見出すような生き方を肯定しているのではないだろうか?と朧げながら思わされた。目的なき倫理学の書エチカを再読したくなった。2019/12/09

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