日本経済新聞出版<br> スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択

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日本経済新聞出版
スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択

  • ISBN:9784532356781

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内容説明

Gゼロ時代に突入し、アメリカが世界を主導する力は以前ほど絶大ではなくなった。だが、しばらくはアメリカが唯一の「スーパーパワー (超大国)」であることに変わりはない。アメリカは今後、世界を舞台にどういった役割を演じるのか? 他国の問題解決から手を引いてしまうのか?

「Gゼロ」という言葉を世に送り出し、各国の政府首脳に対して外交問題に関する助言を行ってきた気鋭の政治学者が、国際社会の中でアメリカがとりうる外交戦略を3つのシナリオで示す。

1. 「独立するアメリカ」……国益を優先し、安全と自由を確保する
2. 「マネーボール・アメリカ」……自国の評価を上げ、国益も守る
3. 「必要不可欠なアメリカ」……アメリカ、そして世界を主導する

これら3つの選択肢の長所と短所を、日本にも大きな影響を与える中国の脅威、エネルギー、安全保障、TPP、サイバー攻撃など、地政学的リスクの観点から解き明かす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

85
世界唯一の超大国、アメリカが今後歩むべき外交の道とは。2015年12月刊行。この役一年後にトランプ政権が誕生する。ある意味生まれるべくして生まれた政権だったのか。◆世界におけるアメリカの役割、3つの選択肢 ①独立するアメリカ:世界の問題は当事国に任せて アメリカは自国の問題に専念する。②マネーボールアメリカ:国益中心の外交。世界の課題であってもコストとリスクを共有する国がなければ手を出さない。③必要不可欠なアメリカ:これまで通り世界に対してアメリカ主導で経済を上昇させて、紛争を処理する。2019/12/21

おさむ

36
昨年末、米国で話題を呼んだ本。気鋭の政治学者が米国が取りうる3つの外交戦略を提示する。選択肢は国内回帰、限定関与、積極関与。筆者が選んだのはアジアの秩序を動揺させる可能性高く、日本に大きな意識改革を迫るシナリオ(言わずともどれかはお分かりかと)。冷静に考えれば、こうなるんでしょうな。日本人も「Gゼロ時代」の洗礼を受けなくてはいけない時が来たのかも知れませんね。2016/09/26

はるわか

26
米国の影響力が低下しつつある現実は米国政府に厳しい選択を迫る。世界経済は新興国に原動力を求めるようになるが、それらは依然として貧しく、不安定な強権国家である。米次期大統領は、理解できない国外の紛争への介入を求める声に、米国民が疲れ果ててしまっている現実を認識しなければならない。米国の外交政策は衰退しているが、米国そのものが衰退しているわけではない。米国ほど多くの友邦、同盟国がある国はない。世界最大の財・サービスの輸出国、食料輸出国、企業家精神に満ち、効率的な資本市場を有し、技術イノベーション能力が高い。2016/12/04

Miyoshi Hirotaka

23
選択しないことが最悪の選択。これが、民主主義の原則。ソ連崩壊後、スーパーパワーとなった米国が、世界各地の動揺や紛争に関与したが上手くはいかなかった。自分がどんなに強力でも、結果について自分よりも強い関心を持つ敵を打ち負かすのは難しい。トランプ政権が選択されたのはこれを学習した結果。米国が外交に関し、国内回帰、限定関与、積極関与の3つの選択肢をめぐり意思決定する時期が再び来た。その選択の結果によっては、日米関係も姿を変える。さらに、IMF、WTO、安全保障など米国の存在を前提に成り立っている枠組みも変わる。2020/02/29

koji

17
本書は、Gゼロの時代に、米国の次期大統領は、①米国は世界の全ての問題に責任を負うことから独立し米国自身の安全を担保することに注力すべき、②同盟国や友好国の役割を増やし米国は間接アプローチ中心とすべき、③米国は自由と秩序の責任者としてリーダーシップを発揮すべきという3つの選択肢のどれを取るべきかを問う書です。更にこれは読者にも突きつけているのです。著者は呻吟したすえに、①を選択します。さて私はどうか。私は米国には②を選択してもらいたいですね。日本は地政学に不安がありますから。唯日本の行く末を考えるのが先です2016/10/16

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