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内容説明
「どこかにおいしいものを思うぞんぶん食べられるところはないかしら?」おなかをすかせたおたまじゃくしはいつも思っていました。それを聞いた川辺のやなぎは、お城の王さまならおいしいごちそうを食べていると教えてくれました。そしてやなぎは、北風におたまじゃくしを冷たい風でコチコチに固めて、王さまのお城へと運ぶようにお願いしました。一方、お城の王さまは広い食堂で一人さびしく食事をしていました。そこへ、スプーンになったおたまじゃくしがやってきました。王さまがスープを飲もうとすると、その前にスプーンになったおたまじゃくしは、ペロリと飲みこんでしまいました。王さまは不思議に思いながらも、次に運ばれてきたビーフシチューを食べようとしました。ところが、スプーンになったおたまじゃくしが先に食べてしまうので、やはり王さまの口には何も入ってきません。ついに王さまは、スプーンがおかしいことに気がついてしまいました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
11
佐竹美保さんの挿絵に惹かれて。食いしん坊のおたまじゃくしは柳の木のアドバイスで、王様のスプーンになる決意をする。ユーモラスで、ちょっと哲学的なテーマがいい。分け合うことのやさしさと秩序。王様とのやりとりが一方的ではなくて、譲歩しあう間柄なのが安心できるのだ。でも、わたしは読みながら、こんなにおいしいものをいっぱい食べて、おたまじゃくしはかえるになってしまわないかと心配でした。2020/11/23
おはなし会 芽ぶっく
8
食いしん坊のおたまじゃくしが、川辺の柳から「王さまのスプーンになったらご馳走が食べられる」と教えられ、北風にカチンコチンにしてもらいスプーンに変身する。上手く王さまのスプーンになったおたまじゃくしは、王さまの口に入る前に、スプーンにのせられたご馳走を食べてしまい見つかってしまうが…。2020/04/17
かのん
6
まだ食べていないのに、食事をすくって口の中に入れるまでの間に、スプーンが空っぽになっている?!王さまとおたまじゃくしのやりとりがかわいらしいおはなしでした。2019/04/24
けいねこ
3
おたまじゃくしをスプーンにしちゃう発想のおもしろさと、王さまのやさしさ。かたくなっているとはいえ話をするし目もあるおたまじゃくしを口に入れるのは私は遠慮しておきますが、楽しいお話でした! 思いやりを教えてくれるお話でもあります。2018/03/08
ヒロモ
2
図書館より。最後は懐かしいおウチに帰る、となるのかな?と思いきや!王さまが食の楽しみを知れて良かった。2019/06/30