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内容説明
講談社児童文学新人賞佳作デビューの著者の受賞後第1作。小学5年生の響音は、中1の姉・千弦の弾くピアノの音色が、楽しく聞こえなくなってしまったことが、気がかりでならない。ピアノコンクールでもよい成績を上げることができず、そのことが原因で、家族4人の関係もぎこちなくなっていくのだが……。音楽のすばらしさ、家族や友情のたいせつさを伝える本作は、小学上級以上の子どもたちにぜひ読んでほしい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
60
こんなにステキな人たちに囲まれていても、心を打ち明けることができないことがあるんだな。些細なことが少しずつ大きくなって初めてステキな人たちが行動を起こす。傷つかないで生きることなんてできないけど、不安な時、辛い時…弱音を吐いたって恥ずかしくないということを教えてあげたくなった。甘えちゃいけないことなんてない。自分のやって来たことが本当にやりたかったことかどうか大人になっても迷うことがある。それを素直に相談できるようになるには、人を信頼することかもな。迷ったことのある人はその声に耳を傾けてくれる。2018/05/23
はる
58
児童文学らしい清涼感溢れる物語。ピアノの才能に恵まれた姉と、そんな姉が大好きな妹。だが姉は母親の過度の期待が重圧となって、ピアノが弾けなくなってしまう。ぎくしゃくとした家族の関係は果たして…。クライマックスの文化祭の場面は臨場感があってワクワク。本来なら姉が主人公となるべきですが、妹なのがミソ。鋭い音感を持ちながらも、他人の気持ちに寄り添う優しい性格の妹の視線で描くことで、明るく分かりやすく、繊細なストーリーになっています。2018/04/26
はつばあば
53
子供の才能に有頂天になり他の家族を忘れがちになる・・そういう事って母親になったらあり得ます。私には聴く👂を持っていなかったせいでピアノの練習を一生懸命する長女と、ちゃらんぽらんで音を間違える度に私に怒られる次女とぐらいにしか思っていませんでしたが、長女は年子の妹に追いつかれるのが嫌で練習を。次女はちゃらんぽらんながら楽しんで弾いていたようですが・・才能を伸ばせなかったのは私のアホさ。まぁ一人は文系、次女は争いたくなくて理系。今は親などいなかったように二人仲良し。この本は孫に送りましょう。読み友さんに感謝2022/12/11
ぶんこ
32
面白かったです。姉のピアノから、情景が浮かばなくなったことに気付く妹。姉と同じ中学で一緒に学校行事でのピアノ伴奏をしていた秋生。姉の叔母燈子。ふるさと文化祭での演目は「音楽を取り戻すための春を探す旅」で、姉の閉ざされた音楽への心を開いて欲しいとの、皆の気持ちが詰まっていました。音楽の持つ楽しさがズシンと伝わってきます。YouTubeで「岸を離れた日」を聴きました。手蔦葵さんの歌声を初めて聴き、響音、美枝の踊っている姿を想像できたのが嬉しかった。2018/05/04
信兵衛
32
児童向けの作品ですが、大人が読んでも、清純で心洗われるようなストーリィです。こうした作品を読めるのは嬉しい限り。2018/04/03