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内容説明
明治六年(1873)初代内務卿大久保利通のもとに創設されて以来、敗戦後の昭和二十二年(1947)十二月アメリカ占領軍によって解体されるまで、大蔵省と並び立って霞ケ関に君臨した名門官庁・内務省の実像。当時「政策は大蔵省、政府は内務省」といわれて絶大な権力を誇った内務省は、現在の総務省、国土交通省、厚生労働省、警察庁をあわせた巨大な権限をもちながら、きわめて簡素な行政機構と効率的な地方行政を実現していた。「国の国たるゆえんのもと」として明治国家に不可欠の行政機構だった内務省が、なぜ占領によって解体されたのか。その実力ゆえに今日も評価の揺れる「怪物官庁」の実態を、行政機構研究の第一人者が冷静な分析によって明らかにする。序章・内務省の亡霊、第一章・内務省解体、第二章・大久保利通以来の名門、第三章・府県知事というもの、第四章・警察、第五章・社会行政など、終章・ふたたび、内務省とは何だったか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぽん
44
民間企業から大学教授に転身した筆者が省庁再編の年に出した内務省評。明治維新から終戦まで通して見た時に、昭和期の五相会議が総外大陸海だったように外交軍事中心になっていったこと、内政面でも産業、交通、通信、厚生などが順次分離していき所管が限定されていったことから、多くの研究者が言うほど内閣での位置付けは大きくなかったとする。他方で、警察部門の選挙干渉を内務省史の汚点としつつも、有吉忠一のような各地で業績を残した名知事の存在や、社会行政の草創期におけるかなり先進的な取組にも眼を向けており、バランス感覚を感じる。2024/11/10
軍縮地球市民shinshin
10
戦前のスーパー官庁であった内務省。本書によれば、内務省の権限は現在思われているほど強くない。人物本位で職員採用をしており、成績一辺倒ではない、と指摘されている。GHQで作成した占領マニュアルに内務省が過大評価されていたので、悪名が戦後増幅されてとどろいた、とある。何点か新しい解釈が提示されてはいるものの、全体的に雑駁な印象はぬぐえない。きちんとした章立てがなされていない。売れなかったのか、著者は本書以外一般書は執筆していない。本書も品切れだが古書店ではそんなに見かけない。2018/10/29
毒ドーナツを食べたいな
6
警察という暴力装置を備えた行政機関であったため戦後解体された◆明治初期内政のほとんどをカバーする官庁として全国からくる高度な質問や素朴な伺いに対し丁寧に回答、指示を与えた◆戦中の特高警察のイメージが強いがもちろんそれだけではない2015/03/07
Mealla0v0
4
内務省はなぜ解体されたのか。今日人々は内務省を社会全般を支配した強力な統治機構だと思い込んでいるが、GHQも同様の「誤解」をしていたがために、戦争推進の基幹部として解体されたと著者はいう。この誤解は、内務省の統括領域の広汎さに由来する。警察、地方自治、社会事業(労働、住宅)など。確かに手広く、また特高の悪名高さは目立つ。しかし、実際はそれほど強力な支配力はなかったという。政党政治ともに成長してきた内務省は、政党政治の終焉とともに減衰し、軍部とそれに呼応する他の官庁出身の革新官僚にその座を奪われていった。2020/12/31
sodium hydride
1
編年体で書かれていると勝手に思い込んで読み始めたのが悪いのだけれどやはり雑駁な印象だった。個々のエピソードは面白いものもあったので『内務省よもやま話』として読めばいいと思う。2023/02/27




