ちくま学芸文庫<br> 日本の外交 ──「戦後」を読みとく

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ちくま学芸文庫
日本の外交 ──「戦後」を読みとく

  • 著者名:添谷芳秀【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2018/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480098290

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内容説明

戦後日本の驚異的な復興と経済成長を支えたのは、軽武装・日米基軸主義の基礎を築いた吉田茂の外交路線であった。だが、憲法九条を堅持したまま日米安保条約を結ぶことでねじれを抱えた吉田路線は、左右の政治勢力からの攻撃にさらされる。その様は、日本の国家像が左右に分裂したことを意味していた。そこに潜む「戦後」の呪縛を解き、外交戦略を再設計するには、吉田による「中庸」の選択の意味を深く問いなおすことが不可欠だ。こうした視座から戦後日本の歩みに新たな光をあて話題を呼んだ『日本の「ミドルパワー」外交』を、刊行後十余年の展開をふまえ全面改訂した決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

3
「中曽根の非核中級国家論は、当時の佐藤内閣のなかで極めて不評であった。1971年3月9日の参議院予算委員会で社会党議員の追及を受けた佐藤首相は、最初は「存ぜぬ」と知らぬふりを装い、さらなる追及に「非核はいいが、中級というのはどうか」と述べ、その表現は政府としては使わないと答弁した。…非核中級国家論は、こうして極めて短命に終わり、中曽根自身もその後その概念を使うことはなくなった。中曽根の非核中級国家論の運命は、中曽根の外交戦略論を体系として受容する素地が、日本社会に不在であったことを示していた。」2024/12/17

わび

2
再読。著者の見立てによると、戦後日本は過去の呪縛から国際秩序を動かす「大国」として振る舞えず、また無意識ながらもそのような行動を自制してきたとされる。ともすれば外交下手とも評価されてきたそうした姿勢を著者は「ミドルパワー外交」として高く評価し、それを進めるために未来志向の改憲や東アジア政策を提言する。戦後外交の足跡を辿りながら、実は日本外交の取り得る振り幅は決して広くないことを示されると確かに著者の議論に納得はするものの、昨今の対外関係に当てはめてみると現状以上の政策が可能なのかという感じも受ける。2020/04/21

きっしょう

2
戦後日本の外交を振り返り、現在に至る問題点や今後の外交がどうあるべきかを提示している。日本は米中露のように国際社会に大きな影響を与える大国を目指すのではなく、オーストラリアやカナダのような中規模の国としての外交を展開する方向性は理解できるし賛同もする。ただ、対アジアではやはり歴史認識の問題をネックとしている。そこにのみ焦点を絞って自国の主張だけが正しいと言い張る国や、約束を守る気が無い国に対しては結局のところ何の解決にもならないのでしょうね。2017/11/10

Yoichiro Kaneko

1
非常に共感できる外交論だった。日本のあるべき国防のビジョンと外交戦略が、過去の歴史、現在の状況を踏まえ、述べられており、それは大国外交ではなく日米安保をベースにした中級国家外交というもの。今の日本の現状と将来を考えると妥当な方向性だと思った。理性的に考え、最大多数の幸福を実現しようとすると、中級国家の日本として戦略を立てるのがよいと思う。2017/10/10

Studies

0
良書。2017/11/22

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