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内容説明
12歳のまゆ子は、両親と離れて遠縁の「ナオコ先生」のもとで暮らしている。ナオコ先生の営む「ひるま美容院」は、古くからのお客さん達によって支えられている昔ながらの小さなお店だ。まゆ子は、つらい記憶のせいで声が出ない。月曜日の夜、閉店後の美容院で、ナオコ先生は、まゆ子のためだけに丁寧にまゆ子の髪を洗って整える。心を閉ざしていたまゆ子の声が、だれかに届く日はくるのだろうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
139
『紙コップのオリオン』か良かったので、デビュー作も読んでみた。少女の心の葛藤がとても切実に表現されていて、まるで自分が苦しくなる。預けられた「ひるま美容院」での時間が、まゆ子の凍って声のでなくなった心を融かしていく。第52回講談社児童文学新人賞受賞作。2014/05/07
takaC
111
優しい気持ちになれた。2018/11/17
七色一味
109
読破。タイトルと表紙の雰囲気が気になっていた作品。児童書だったとは知りませんでした。心因的ストレスによって声を失った、いわゆる「失声症(場面失語)」の少女が主人公。その原因がなにかというのも物語の重要部分ではあるんだけど、それ以上に、人と人とが関わること、触れ合うことがどんなに重要な事なのか、それがこの物語の優しさなんだと思う。お母さんは喉元すぎればを地でいってるけど、お父さんのクリスマスプレゼントも、そして最後の言葉も、主人公をふんわりと優しく包み込んでくれる。他の人々もみんなが優しい、泣ける物語です。2014/11/22
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
90
86/100点 ある事故をきっかけに、声を出せなくなってしまった6年生のまゆ子は、学校を休み遠縁の美容院に預けられます。そこでのナオコ先生やサワちゃん、颯太、商店街の人たちとの生活の中で、人の気持ちに寄り添うとはどういうことかを学び、少しずつ自分を取り戻していきます。切なくも優しく、そして心強さも感じられる素晴らしい作品です。ただ、まゆ子が預けられた経緯やナオコ先生の人生背景などが語られていないところが少し残念でした。2016/09/18
糸車
86
6月の子どもの本の読書会の課題本。子どもが声を出せないくらいつらい目に合ったとき、大人はどう対処すればいいのか。問い詰めない。少し距離をおいて、でも目は離さない。ごく普通に接して当たり前の日々を過ごす。本来なら親がそうしてあげられたらよかったのだけど、近すぎて無理だった。美容院のナオコ先生、商店街の人々がまゆ子を見守る目が温かい。ごく当たり前のやりとりから伝わる優しさ。季節ごとに変わるシャンプーでナオコ先生がまゆ子の髪を丁寧に洗うシーンが目に浮かぶ。誰かに見守られていることを知ることってとても意味がある。2015/07/14