ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学

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ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学

  • ISBN:9784622086635

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内容説明

『エコノミスト』エディターが、アンデスのコカ畑から、中米の監獄まで、麻薬の「聖地」をくまなく取材。M&A、CSR、サプライチェーン管理、オフショアリング…巨大カルテルの多国籍企業顔負けの経営戦略を解き明かす!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

82
選挙票目的でやっている政治家の「頑張ってますアピール」の法律と武力介入だけでは麻薬の栽培・流通・販売を止めることはできない。一般の財・サービスを扱うミクロ経済学と同じ発想でもって麻薬を根絶する。「刑務所」・「密輸」・「ギャング」などニュースのヘッドラインにのりそうな極端な単語が頻繁に出てくるせいか「お勉強」をしているという感覚はない。「経済学って何の役に立つのか?」とモチベーションが下がり気味な人におすすめ。日本で自分の体を銃弾や刃物のマトにして学術研究をする経済学者って何人ぐらいいるのだろうか?2018/09/24

テツ

26
麻薬カルテルの経営と経済。法や社会に守られることなく束縛されることもない違法な業界。それでも人間が集まれば何かしらの秩序や法則は生まれるし、取り決めを守らなければ商売はできない(この世界の場合はまず自分の身も危なくなるだろうし) 何というか、非合法なモノを売買しているということと、関わる人間の大多数がヤバいということ以外は、あたりまえだけれどマトモな商売と変わらないんだなあという印象。コストを考えて仕入れて売って儲ける。普通の商い。ここでのし上がる人間は表社会でもある程度のし上がることができるだろう。2019/11/16

ゲオルギオ・ハーン

22
国際的にも悪名高き中南米の麻薬カルテル。麻薬の販売の他に殺人や違法移民の斡旋などで治安を悪化させていた。政府や警察は麻薬の取り締まりをすることでカルテルを撲滅しようとしたが、組織されたサプライチェーン、コストを十二分に吸収できる価格帯、ネット販売も含めた広い販路のため有効的な解決はなかなか見つからなかった。読んでいくと企業として見た時の麻薬カルテルのビジネスモデルの強靭さ、カルテル間での協力と競争の仕組みを説明し、中南米の警察組織の欠点も挙げていて力による解決、禁止するだけのやり方の限界が見えてきます。2021/08/25

くさてる

21
ジャーナリストによる、現代の麻薬カルテルの「シノギ」の方法の取材。かれらとまったく無関係なような世界を覇するグローバル経済の大企業たち。両者は、どこか似ていた。その奇妙な共通点がどんどん浮き彫りになっていく展開はスリリングでとても面白かった。そこから見出される麻薬犯罪への対策も現実味がある。ブラックユーモアすら感じる面白さと人の命がどこまでも軽くなる場所がある現実の落差をバランスよく描写していて、読み応えありました。面白かった!2018/05/29

vaudou

15
そのものズバリな「メキシコ麻薬戦争」はかの地で起こる抗争の内実を暴く衝撃の書だったが、本書はこの分野を扱ったものではそれに続く傑作であろう。著者は最新のカルテルの行動原理を一般企業との照応から経営学的に考察することで、多様化する麻薬ビジネスの実態がわかると云う。読み進めるうちにわかってくるのは、大手フランチャイズも顔負けに手広く事業を拡大するカルテルの経営術である。脱法ドラッグや大麻合法化の最前線はもちろん、中南米の麻薬を巡る人とカネの動向が、大体これ一冊で概観できてしまう大労作だった。 2018/01/10

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