ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由

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ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由

  • ISBN:9784799322147

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内容説明

企業の取締役を務めながら20年以上母の介護をした、KAIGO LAB編集長・株式会社リクシス取締役副社長の酒井穣が「介護離職」のリスクを忌憚なく語り、仕事と介護を両立させる指針を示します。

介護とは「自立支援」です。そして自立とは、誰にも頼ることなく生きられる状態のことではありません。真の自立とは、その人が依存する先が複数に分散されており、ただ1つの依存先に隷属(奴隷化)している状態から自由であることです。
ですから介護とは、ただ1人に依存させることではありません。介護離職して親を1人の子だけに依存(隷属)させるのではなく、依存先を分散させることが真の自立支援なのです。

第1章 介護離職につながる3つの誤解
誤解1介護離職をしてもなんとかなる
介護離職をした場合、再就職は困難であり、再就職できたとしても年収は半減しかねないというデータがあります。介護離職をするなら、まず、1年以上収入が途絶え、再就職できたとしても今の半分程度になっても生きていけるだけの貯金が必要です。
誤解2介護離職をすれば負担が減る
介護離職をした人の約70%が、経済的・肉体的・精神的な負担は「かえって増えた」と回答しています。誤解1ともつながる経済的な負担、今まで協力してくれた兄弟や親族が介護から身を引いてしまう危険などをよく考えねばなりません。
誤解3子供が親の介護をすることがベスト
子供が仕事を辞め、大きな負担を伴う介護に専念することを、親は本当に望んでいるでしょうか? もしかすると親孝行になっていないかもしれません。また、入浴介助や排泄介助など身体介護を介護のプロに任せることで、介護離職を避け仕事と両立できる可能性が高まることを忘れてはいけません。

第2章 介護離職を避けるための具体的な方法
方法1介護職(介護のプロ)に人脈を作る
日本の社会福祉は、知らないと損をするようになっています。日本の介護保険の場合、どのような介護サービスが利用できるのかを理解し、こちらから利用を申請しないと、介護サービスを使うことができません。プロに助けてもらい、相談することが大切です。
方法2家族会に参加する
方法1で述べた優秀な介護のプロに出会うためにも、在宅介護をする家族の会に参加するのが役立ちます。家族会は愚痴を言い合い、情報を交換する場であり、介護の負担を減らすために有効です。
方法3職場の支援制度と仕事環境の改善に参加する
介護離職は増加する傾向があり、企業は働き手を失うことを恐れて支援制度を整えつつあります。そうした制度を充実させるために積極的に貢献していくことは企業側も歓迎するはずです。

第3章 介護を自分の人生の一部として肯定するために
指針1介護とは何かを問い続ける
介護とは「自立支援」であり、「生きていてよかった」と感じられる瞬間の創造でもあります。心身の障害を得た親にも、自分らしい人生を求めて頑張り「生きていてよかった」と感じられる瞬間を届けることができます。
指針2親と自分についての理解を深める
親が認知症になったとしても、親の人生について知っておけば、それが役立つことがある。自分という人間が生まれた背景には、どのような親の人生があったのか、できるだけ親が元気なうちに聞いておくべきでしょう。
指針3人生に選択肢がある状態を維持する
親の介護をしながら幸福になるためには、親の介護を自分でやるのか、それとも介護のプロに任せるのかが選べる状態を維持することが重要になります。選択肢がなくなると、あなたも親も不幸になります。置かれている状況に絶望ばかりしているのはよくないことです。環境そのものは変えられないとしても、私たちには絶望と戦う余地が残されているのです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

41
育児と介護は大きく異なるものだ。育児の場合は、その前提として自分が育てられた経験があるので、はじめての育児でも、それなりの知識を持って臨めるし、妊娠から出産までの期間もあるため、その間に本を読んで勉強することもできる。しかし介護は、ある日いきなり、ほとんど無知の状態からはじまり、多くの場合、自分には過去に介護を受けた経験もないため、右も左もわからない。本当にいきなりはじまるので、宿命として、介護は、その初期にこそ無知による間違いが起こりやすいのだ。 介護離職すると、年収は半減し、貧窮に陥る。2021/09/08

16
リミテッド ●自立とは誰にも頼ることなく生きることではない ●介護は少なくとも10年以上は続く想定 ●1500万程度準備しておきたい ●身体介護、家事は自分以外のプロに任せるべき ●人類史は子供のために犠牲になってきた親の愛でできてきた ●在宅介護の65%な抑うつ状態 ●男性は弱さを周囲に示すことを嫌い、相談に否定的 ●生きる ことができてる人は少ない。ほとんど存在しているだけ ●ノーマライゼーション ●生活継続、自己決定、残在能力活用の原則 ▷誰もが経験するところだろう。勉強になる2020/07/23

ハイちん

12
【介護と仕事は両立できる。だから辞めないで】介護離職をすると当然収入はゼロになる。再就職したとしても収入は以前の半分程度まで減ってしまう。必然、介護離職者は貧困に陥る可能性が高くなる。「親孝行」という言葉を理由に辞める人がいる。親の介護のために子が人生を犠牲にすることを、あなたの親は望んでいるだろうか。仕事と介護は両立することができる。介護はひとりで抱え込むものではなくチーム戦。全部自分でやろうとせず介護のプロの力も借りよう。じゃないとつぶれてしまう。離職してまで守ろうとした親との関係も悪くなってしまう。2021/01/11

よぶ

10
今、目の前に介護という現実が迫っている…勉強のために熟読!!私はパートだけど、介護をする事になっても離職はしたくない~と思っていた!自分のために…親のために…。2020/07/04

まさや

3
正社員から介護離職した人の47.8%は人に相談していなかったそうです。ひとによってもいうことが違ったりするので複数のソースにあたったほうがいいんでしょうね。2022/06/10

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