内容説明
本年の話題作『ホサナ』につづいて、町田文学の傑作がまたもや誕生。世間並みに生きることが困難になり、「余」を自称して超然と生きることを決めた男。上から目線で世の中を見下ろすことで、自尊心を保っていたものの、数々の思わぬ出来事により精神に変調をきたし、自殺願望にさいなまれるようになる――そんな格闘を経て、本作では世の中の人とふれあって普通に生きよう、生を肯定せんとする余の懊悩する姿が描かれる。その心の内からつむぎだされる言葉とイメージの世界は町田作品の中でもっともテンションが高い。読者は強烈な笑いと、筆舌につくしがたい文学体験に誘われるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
63
余 三部作の内、二作目「この世のメドレー」を飛ばしてこちらを読了。町田作品は狂気を孕んだグロテスクな場面の中に人間の本質や真実をするりと描いていて油断ならない。着地に大いに納得。町田康の世界にまんまと取り込まれた〜。2018/07/31
テクパパザンビア
34
面白かった?余が善哉を叫ぶ超然者から自然へと…。スーパービュー踊り子号と脳内参議院議員が印象的でした。『どつぼ超然』にも果敢に挑戦してみます。2018/04/15
chanvesa
27
「ムーンライトながら」の「ながら」の解釈や、作中作品(アイデア)の「目なし代官」の面白いけれど、『ホサナ』に通じるようなグロテスクさに少し疲れる。2018/08/05
鼠∞
22
所謂「超然シリーズ」の最新作。世間から超然としようとするも挫折し、今回は「自然」に走ろうと目論むも、この自らを「余」と呼ぶ男、またしても脳神経が錯綜、暴走し「脳内国会議員」などを脳に設える。何然としようが、こういう精神構造ゆえ常に残念なことになってしまう。身体そのものは大して動いていないにも関わらず、自意識の長旅を続けることにより、ただ電車に乗るまでの展開だけで半分近くのページが割かれる。付いて行けなくなりつつあるマチダワールド、一体何処まで行くのだろうか。2018/01/23
Michio Arai
15
推理小説的な要素を込めて読者を引き込もうとする本に慣れてしまっていると、つまり筋書きを予想しながら読もうとすると、話がカオス過ぎてついて行けない。 町田との付き合い方はただただ脱力して読むこと。すると文章のテンポは心地良いし、ナンセンスでも町田独特の言葉センスが楽しめる。脳内参議院議員の登場で話は急展開し余と龍神沖奈(龍神って堺ネタ?)との対決は予断を許さずスリルがある。終盤のグロい展開の後のエンディングに、余はムーンライト長良に乗って横浜美術館に行った、それだけの話だったのかという綺麗なオチに行き着く。2018/02/18
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