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内容説明
『正法眼蔵』『普勧坐禅儀』……数多くの道元の著作から、禅の思想を読み解く。「只管打坐――ただ座る」「空手還郷――あたりまえのすばらしさ」など、現代社会に通じる普遍的なメッセージの深遠を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
esop
67
身心脱落というのは坐禅である。只管打坐のとき、欲望を離れ、煩悩を除いている/坐禅は悟りを得るための苦行ではなく、安楽の行であり、さらに言えば悟りの行であり、仏の行であった/身体的な威儀・作法を身につければ、心も自ずとそれにしたがってあらたまりよくなるもの/無所得・無所求・無所悟/仏道をならふといふは、自己をならふなり。自己をならふといふは、自己をわするるなり/莫作の力量の現成/身心を清らかに保つということは、仏道において大切なことである2024/09/25
ホシ
22
道元禅師の教えを私にあてはめるならな「無所得の授業」かと。給料や講義評価、業績評価などのことを考えず、”教える”ために教えることに徹する。学生はこれで混乱しないだろうか、講義資料は見やすいだろうかと、常に自身の授業を振り返り、布施・愛語・利行・同事の心で授業をする。当たり前のことですが、当たり前を当たり前に実践するところに「仏性」が現れると受け止めました。他にも無我・利生の生き方、全てを手放し自身も大自然の一部であると自覚する生き方、難しいですが、少しずつ真似したいです。何事も生活の全ては仏の真似から。2023/06/02
イプシロン
22
道元の主著『正法眼蔵』は未読だが、本書によって道元の思想の概略は知れたと信じたい。ほとんどの思想は素晴らしい。だが「修証一等」つまり修行することが悟りそのものであり、悟りという到達点はないという思想には半ば共感といったところか。「修証一等」は仏教法話にある「毒矢のたとえ」の論理そのもので素晴らしいのだが、「修証一等」はまた、理想なき刹那主義でもあると思えたのだ。では理想をどうもてば良いかとなると、もはや人にとって不可知であろうことを信じるか信じないかになるのが、どうにもむず痒いのだ。2019/01/06
テツ
14
修証一等。只管打坐。『正法眼蔵』を著した道元と彼の思想について。八百年前の社会における出家者を想定して書かれた『正法眼蔵』をそっくりそのまま現代の俗世間に生きるぼくたちに適応することはなかなか難しいけれど、そこに流れる言葉から染み出す諸々は、悟りなどとは無関係な人生をも支え導いてくれる。見性に拘らずただただ座禅を続ける。その姿こそが尊く仏そのものであり、その修行こそが悟りそのものである。過程と結果は不可分であり、どちらもが尊い。そこを理解していないと現代人が愛する(いわゆる)努力はドツボにハマりがちだ。2023/02/05
Go Extreme
3
道を求めて 中国留学 如浄に学ぶ 仏法を広める 正伝の仏法ひとすじに 空手還郷―あたりまえの素晴らしさ 只管打坐―ただ坐る 無所得・無所求・無所悟―さとりを求めない修行 修証一等―修行とさとりは一つ 行持道環―修行に終わりはない 大修行―結果を求めない修行 道得―真理を表現 自己を習う 三界唯心―全世界は心そのもの 夢中脱夢―夢のような現実を生きる 諸悪莫作―悪いことができない自分作り 有時―存在と時間は一体 磨㙛作鏡―瓦を磨いて鏡とする 仏性―仏としての在り方 道元禅と現代―道元禅師の教えの現代的意義2024/09/19
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