内容説明
死神シリーズ第2弾。首相の娘・根岸志津子がチューリッヒで失踪し、志津子の行方を追った外事警察捜査員・朱野能子も『北回帰線に鷲が啼いている』という謎のメッセージを残して消えた。二人は欧州全域にまたがる人売り組織に拉致され、買主の男たちに仕える凌辱の日々を送っていたのだ……。代表作『往きてまた還らず』で死闘を演じた伊能と中郷両警視正が再び欧州を舞台に、秘密組織に挑む長篇アクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なしもと
2
「往きてまた還らず」の伊能&中郷コンビ2作目。 往きて~の頃の中郷は痩躯長身の冷徹な男だったが、2作目はアル中の暴言吐きに。ただ中郷の変質ぶりは納得がいくものなので、すんなりと受け入れられる。外事警察の捜査員である能子と中郷の掛け合いは思わず笑ってしまった。全体的には、1作目にシリアスを抜いてギャグとエロスを加えたような感じで、すいすい読めました。2014/03/25
毒モナカジャンボ
1
鷲シリーズ。破綻者の中郷と、そこまでではないが中郷の闇に引き摺られている元部下の伊能の関係性が良い。ほとんど暇さえあればウィスキーを飲む中郷とインポ(意味深)と言いながらしぶしぶ(?)中郷を追ってしまう伊能。個別行動の多い本作にあってはその関係性がより詳らかにされている。朱野の物語での扱われ方をみれば女は本当に物だということがわかる(わかるな)。いちいち細かいところで各国の風土情報や捜査機関情報に詳しい描写が見られ流石調査魔の寿行という感じ。後半巻きに入る感じもまあ西村寿行なら……と許してしまう良作。2019/03/07