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内容説明
「こういう生き方もあったという事を、老人はもう一度思出し、青年ははじめて知ってもらいたい」――福田恆存(本書「序」より)
大阪に平田ありと言われた名工、平田雅哉。吉兆、つるや旅館、大観荘、朝香宮邸茶席など手がけた名建築は数知れず。「建築は風呂敷には包まれん。出来上がりが気に入らんからと言って、引っさげて持って帰るわけにはいかん」が口ぐせで、腕の良さもあくの強さも天下一品。己の経験と勘のみ信じる職人魂と波瀾の人生は、福田恆存や今東光らをも魅了した。
森繁久弥主演で映画化された大棟梁の心得帖、初の文庫化!
序文・福田恆存
解説・塩野米松
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
19
名工と言われた平田さんの聞書き。数奇屋建築において多くの人から引く手あまただった大工。竹を割ったような生き様が読んでいて気持ちいいです。「自分の職に生きる事」「金を残すより仕事を残せ」良い言葉です。仕事を楽しめと言う平田さんの言葉が今、しみじみと心に染み入ってきます。ワクワクするように仕事に真剣に向かえと言われているようで我が身を振り返って反省。2018/02/28
seichan
2
図書館本。手にとったら聞き書きだったので、読みやすいわな、と借りてみた。数寄屋造りの名匠だった棟梁がいろいろと語るのだけど、そういう建築のこまかいところにはまるで言及されず。むしろ明治から大正期の市井の貧しさ、職人労働の実態、大工仕事のナンギさ、数寄屋造りなんか頼むお大尽のワガママとケチばかりが、頭にのこる。 仕事にかける意地と気性の烈しさ、反して仕事での神経の細かさ、舌を巻く行き届き方は、最近の職人からは失われた気風なのかもしれない。2021/08/01
Kuliyama
0
楽しく拝読しました。数寄屋建築や茶室についてほとあ書かれておらず、そこは残念でした。2018/09/12