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内容説明
戦国屈指の名軍師・黒田官兵衛の嫡男に生まれた黒田長政――。幼少時は信長のもとで人質となり、危く処刑されるところを父のライバルである竹中半兵衛の機転で命を救われた。その後、長政は秀吉の「毛利征討」で初陣を迎える。外交・軍略で辣腕を振るうが、決して最前線には立たない巨大な父の存在に反発を覚えて、長政は戦場での「鑓働き」に頑固にこだわった。だが、天下人の秀吉も畏怖した官兵衛の「智謀の才」は、確実に長政にも受け継がれていたのである――。秀吉の死後、石田三成と激しく対立した長政は、豊臣体制で冷遇されていたこともあり、次の天下人を家康と見込んで関ヶ原では東軍に味方する。長政は、福島正則など豊臣恩顧の大名を東軍に繋ぎ止め、また小早川秀秋をはじめとする西軍の切り崩し工作にも縦横無尽の活躍を見せ、東軍勝利の立役者となる。家康から「一番の功労者」と讃えられ、筑前52万石の大大名となった勇将の生涯を描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
6
名軍師と言われた父・官兵衛に隠れてはいるものの、実は歴史上数々の大きな役割を担ってきた黒田長政。現在の福岡・博多の発展に貢献した彼の生涯を描いた歴史小説は、幼少の命の危機から、武功者としての日々、後藤又兵衛との確執、領土内の反対勢力のだまし討ちなど、非常に大きな出来事の連続。「黒田軍の先方騎馬軍団に必ず長政あり」と言われるほどの猪突進するかと思えば、家康側で大きな謀略を仕掛ける知謀力を見せるなど、様々な顔を見せる名将。父を意識しながらも、自分の足で立っていく様に魅せられること請け合いです。2009/01/16
はみ
1
父と息子の問答を軸に、黒田長政の人質時代~関ヶ原までが無難にまとめられている。如水と長政が直接に関係しない場面については、説明調で手短に流されており、ここが読みどころ、というような血沸き肉躍る箇所もなく、さりとて天才の父に対する息子の葛藤がメインかというと、そこは中途半端に掘り起こしたという感じ。歴史小説は、手堅く無難にまとめられるとつまらないなぁ、というのが最終的な感想ですが、それともまさか、長政が主人公だから、とか……?2014/07/25