- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
新自由主義の台頭で日本社会に格差が定着した。非正規労働者層が誕生し、人口の三割が経済的理由から家庭を持つことができないという、膨大な貧困層を形成した。人々は格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送る。豊かさの程度によって日本はすでに分断され、「新しい階級社会」が成立しているのだ。最新の調査データが物語る、現代日本の恐るべき現実!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
44
まずは事実認識。雇用されてる人(新中間層・労働者層)が出世や起業で資本家層になりにくくなっている、労働者層とは質の違う「アンダークラス」と呼ぶべき層が出現している、彼ら彼女らは精神面・健康面まで劣悪な状態に追い込まれている。◇そうした状況を格差の拡大と認識するか。そして、それを自己責任ではすまないものと考えるか。所得再分配施策の支持には、乗り越えるべき壁がある。「べき」論にとどまらずに次の段階へ。格差の拡大は上位層にとっても害(健康への悪影響やコストの拡大、経済成長への悪影響)ということが突破口だろうな。2018/07/24
ゆう。
37
新自由主義社会で儲け優先の強欲資本主義と言ってもいい日本社会のなかで、格差は広がり、所得階層は固定化されている現状がある(むしろ一部の富裕層を除き下方へ追いやられている)現状を、階級の固定化と捉えて分析した内容だと思います。中間階級層からより低い非正規雇用という新しい階級が生まれ、労働者階級の中に分裂が起きていると指摘しています。著者は資本主義社会を乗り越える社会を展望しているわけではありませんしマルクス主義の立場でもありません。しかし、新自由主義がもたらす矛盾の指摘は学ぶところが大きいと思いました。2018/05/24
てつのすけ
32
データを基に、格差を階級として分類し、この階級間の格差を縮小するための提言がなされている。本書でも述べられているが、格差は失くならないだろうし、必要だと考える。しかし、この格差が広がりすぎると弊害が大きくなるため、格差は必要最低限でなければならないだろう。2021/05/28
KEI
31
2025年に刊行された新編を知らずに手に取ってしまったため、まずは7年まえに刊行されたこちらから読む。2015年に実施されたSSM調査を中心に導かれるいくつかの日本の階級階層の特徴が書かれている。また、それぞれの支持政党も書かれており、現在の政治情勢の一端を読み取れる記述もある。中盤データの読み取る記述が煩雑なところがあったが、階層ごとに内容の感想は異なるだろう。新編も期待したい。2025/09/24
carl
27
データ凄い 著者の考えに共感するところ幾つも有った。 この本難しかったです。オー難しい。2018/08/11




