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内容説明
230年ぶりの将軍上洛、禁門の変、そして王政復古の大号令――。激動の幕末期、禁裏御所では何が起きていたのか。天皇をめぐる幕府と有志大名との争い。宮中の奥へと進出していく大久保利通ら藩士たち。身分秩序の維持に腐心する公家勢力。アンシャンレジームが崩れ、近代国家が形成される舞台裏に迫る。天皇が歴史の表舞台に上がるまでを描く、新しい幕末維新史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
35
2018年刊。王政復古の主なイベントについて、現場検証的に追究した歴史書。その場所が持つ意味、誰が誰に言ったか、どのタイミングで、等に着目して歴史的意味を問い直す。特に京都御所での会議や政変が凄い。部屋の格付けから上座下座まで踏まえ、見取り図付きで実況する。天皇、公家、諸侯や藩士らの意図と動きへの洞察が深い。弱体化した幕府に討幕派、佐幕派が絡んで天皇の権威を奪い合う。右往左往の様子だけ見れば応仁の乱と似ている。しかし動乱を通じ、国のトップが隠れた権威者から生身の為政者へと変貌した。革命である事は間違いない2021/01/25
skunk_c
29
新しい視点からの幕末維新論。国際社会に対してその存在を明らかにする近代の権力者として、まず14代家茂、そして明治天皇がをれを追うように「不可視」な存在(なにしろ禁裏)から自らを可視化していったと捉える。この視点から見えるのは、徳川vs維新政府ではなく、同じコースを主役を変えながらたどった歴史であり、この見方からさらに掘り下げて明治新政府の諸政策(例えば版籍奉還、廃藩置県、徴兵制、秩禄処分など)を位置づけていくとかなり面白そう。また、図入りで説明される京都の内裏の部屋の使い方の変化などもとても興味深かった。2018/05/28
Porco
27
幕末史が面白いのは、権力(国家主権)は誰が持つべきで、それを実現するにはどうすればいいのかを、様々な人が考えながら行動したからでしょう。しかも、「あなたが権力を持つべきだ」と持ち上げられた人が、「俺は嫌だ」と言ったりして、それでも持ち上げたりするから複雑化する。本書は、権力を御所内の部屋などの空間によって把握してくれて、新鮮でした。将軍と天皇の連続性を強調するのも面白い。2018/06/29
樋口佳之
24
なかでも、藩士たちが一歩一歩宮中の奥深くへと進む過程は、本章で見たようにアンシャン・レジームとの激しい闘争の過程だった。また、それは近世の天皇が、その姿を変貌させていく過程でもあり、両者はパラレルの関係にあった。「近代の天皇」は革命そのもの/将軍と明治天皇の連続性面白い描写でした2018/06/26
崩紫サロメ
13
近代の天皇とは何であったか、ということについて、「将軍との連続性」に焦点を当てて論じている。14代将軍家茂の上洛は「見える将軍」への転換であった。これは明治天皇の「見える」行幸の原点であるとする。著者は「空間的距離」を重視して論じており、王政復古前後から藩士たちが一歩一歩宮中奥深くに進んでゆき、天皇に接近する様を丁寧に描く。この空間的接近が、天皇を武人化し(軍服の天皇)、幕末の将軍と酷似したものに変えていく。2026/01/09




