ちくま新書<br> 古代史講義 ──邪馬台国から平安時代まで

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ちくま新書
古代史講義 ──邪馬台国から平安時代まで

  • 著者名:佐藤信【編】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2018/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071170

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内容説明

昨今の研究の進展を受けて、かつての古代史の通説は覆され、学校教科書での古代史の記述も様変わりしつつある。大化の改新は645年のクーデタではない、「聖徳太子」は廐戸王でありその役割は限定的であった、東北の城柵は行政官庁だった、などはその一部である。そこで15人の研究者が集い、古代史の最新の研究成果と研究動向を一般読者にわかりやすく伝える。一般読者が誤解しがちな点やかつての教科書で書かれていたために広まっている誤解などを正す、最新・最良の入門書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

内藤喜八

82
歴史の本大好き、既知の事実でも、また新しい気持ちで、その内容を受け止められる。時に新しいこと、例えば、この本の中、藤原道長、関白であった時期は短い、だのに、ほとんど関白ずっとやっていて、摂関の代名詞って感じだけど、そうじゃないって、まぁ事実上、関白なんだけど。あれやこれや、歴史は、日本史、世界史問わず大好き。高校が工業科でまともな授業はなかったけど、受験でも得意だった。普通科の人より遙か高得点だった。好きこそものの上手なれだ。いまは数学や物理、もっとやっておきたかった。好きじゃないけど役に立つ。知るべし。2025/12/19

saga

59
サブタイトル「邪馬台国から平安時代まで」のとおり、最新の知見に基づき15の講義形式で読むことができた。日本の統治が、大王から天皇へと移行し、制度が成熟していく部分は人物相関がやはり複雑だった。平城京が、唐の長安城の1/2モデルで、都建設に対する唐の許認可があったという説は興味深い。各講の末尾には参考文献として文庫・新書から学術専門書まで紹介されているのも良い。通史的な本書を受けて、興味をそそられた時代の書籍を読んでいきたい。2023/03/31

ホークス

47
2018年刊。新しい所見を踏まえた古代研究レポート14篇。歴史と言っても切り口は様々なので、興味の無いテーマも多い。本書で私が面白かったのは、地方行政官である国司と郡司の機能についての二篇。律令制の初め頃、郡司は有力者として郡庁を構え、国司は郡司を束ねる役割だったようだ。朝廷の威光が徹底するように国司は尽力した。その後、検田(後世の検地に当る)などを通じて国司は直接農民を掌握し、郡司は在庁官人に姿を変えて行政官そのものになる。という事らしい。この辺を武士の発達まで通史的に読める平易な本があったら読みたい。2022/06/14

kk

44
kkはとても慌て者なので、先達から薦められたよく似たタイトルの本と間違えて、この本を読んでしまいました。「やっちまった!」てなもんだけど、それはそれとして、この本はかなり面白かったです。古代史研究の最近の成果をオムニバス的に紹介するものですが、むかし学んだ知識がその後の研究でかなり上書きされちゃってることを知って、かるく愕然としました。物部氏も仏寺を祀ってたとか、律令制下の地方統治、特に「郡家」の機能とか、その後の受領制度の緻密な運営実態とか、知的興奮を唆られること頻りでした。瓢箪から駒?2019/10/23

no.ma

36
古代史の生きのいいネタを並べたショーケース的な講義です。先生方は時間内に講義を終える工夫をされ、書きたいこともぐっと我慢しているように思います。物足りなく感じる部分もありますが、むしろ好奇心を掻き立てられます。各講義の最後に「さらに詳しく知るための参考文献」が用意されていて、ディープな古代史の世界に誘われる仕掛けになっています。私は、天平ネタに興味津々で学び直したくなりました。2021/09/12

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