内容説明
人生は晴れのち雨、雨のち晴れを信条とし、どんな時にも前を向く天晴流川柳。パティシエを天職として20数年、オーナーシェフとしても忙しい毎日をおくる著者。
第1章はまさに仕事人としての著者を詠んだ「ケーキ作りの半世紀」。繁忙期のせわしない作業室の様子、真心を込めてつくったケーキの甘い香りや味、驚きの職人技が手に取るように伝わってくる。第2章は「一人称」で、言葉の通り自分自身を掘り下げて、時に自虐的ともとれる句、愛する家族との絆などが盛り込まれている。第3章「天晴流川柳」は客観に重きを置き、社会性やユーモア性のある著者の持ち味が存分に活かされている。第4章は愛娘への普遍の愛情がリアルに描かれている。
妻の留守わたしは女装などしない
南こうせつに似たおばさんを知っている
歯を磨くようにケーキを作ってる
仕事以外ほとんどずぼらです私
目を瞑ってもできるケーキはおよそ百
還暦にもう何度目の反抗期
学歴を恥じる心を恥じている
横にしよ縦に歩いた道だから
一身上の都合で消した影法師
自慢ですちょっぴり私似の娘