内容説明
ブロックチェーン技術の成熟度は低い
今そこにある問題を解説する
ビットコインのコア技術である「ブロックチェーン」に注目が集まっている。現在は主に仮想通貨としての用途に限られるが、実はその対象範囲は広く金融に限らない。
一番の特徴は「非中央集権」にある。従来のシステムでは、どこか1カ所で全データを集中管理し、安心安全を維持していた。例えば銀行の預金では、勘定系システムの中にすべての預金データが管理されている。ブロックチェーンはそうした常識を打ち破った。すべての履歴を全ノードに保有することで、1人の管理者が支配する構造を変えた。
ブロックチェーンはさまざまな分野で応用が考えられており、今後、次々と新サービスが登場するだろう。
ただし、ブロックチェーン技術の成熟度は高くない。インターネットでいえば黎明期程度にすぎないとの指摘がある。そこで本書では、現時点のブロックチェーンに残されている問題を詳しく解説している。
著者は暗号などを専門とする日本の研究者たちである。彼/彼女らは、ブロックチェーンの可能性が大きいからこそ、今そこにある懸念にあえて警鐘を鳴らす。ブロックチェーン技術者必携の1冊だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめタンク
3
2019年198冊目。ブロックチェーンは革命的な技術だという事はよく言われるけれど、それが完璧か?と問われると、そうでもないらしい。曰く、ブロックチェーンが生み出された本来の目的は集権的で不安定な国が発行する通貨に対するサトシナカモト氏の反発が元になっているそうです。日本では億り人の話ばかりですが、その背後にある複雑な数式やコードがどう動いているのか?そして、ブロックチェーンが未来を変える技術なのか?サトシナカモト氏は神ではなく、人間である事を忘れてはならないと思います。2019/07/16
うちひと
1
2016~2017年に雑誌に掲載されたブロックチェーンに纏わる未解決課題のオムニバス投稿を書籍にまとめたもの。ブロックチェーンの基礎的な説明を加えながら、その技術や仕組みに関わる課題や問題点を解説していく。すでに五年も前の記述であるが、その多くは本質的に未だ解決されていないことがわかる。ブロックチェーンは未だバブルの様相である。インターネット黎明期を知らないのでなんともいえないが、ブロックチェーンは遅々として進んでいないような印象も受ける。価値を発揮すべき場所で正しく利用されることが期待される2022/08/21
judecca
1
ブロックチェーンその仕組みは天才か?という感じであるが、抱える課題の多さも痛感した。社会基盤への道は長い2020/01/11
ゆう
1
ためになりました。2019/12/17
Akiro OUED
1
理解不能かと思ったけど、意外と消化できた感あり。『合意』が多層化しちゃったのは、分散する計算機も自己主張プログラムを実行するからだね。で、これがAIに置き換わる。ヤツがビットコインで腹を満たすようになれば、ヒトは、ブロックチェーンのバグに化身して、飢えをしのぐことになる、かも。2019/11/12