内容説明
歯なしの若者リー・メロンとその仲間たちがカリフォルニアはビッグ・サーで繰り広げる風変わりで愛すべき日常生活。様々なイメージを呼び起こす彼らの生き方こそ、アメリカの象徴なのか?待望の文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
101
リチャード・ブローティガンは『西瓜糖の日々』『アメリカの鱒釣り』は既読・この本が3冊目。ブローティガン沼からようやく脱出。この本読み終えるのにやく一ヶ月。他の本を読んでいる合間に少しづつ読んだ。感想や読後感云々を語る本ではないと思う。降り掛かってくるひとつひとつの言葉をただ受け止めるだけ。ヒッピー・ムーブメントの影響も多いみたいけどそんな理屈なことはどうでもいいか。こういう本をさりげなくほほえみながら読む、そういう人に私ははなりたい。2021/06/01
コットン
69
有名だけど初読みの作家さんで、短い章の積み重ねで物語が進行して行く。物語自体は極論どうでもいいことなんですが、それを詩的にまとめつつ先へ先へと読ませる手腕が素晴らしい。訳者の藤本和子さんの力も大きいのでしょうね。2017/11/18
あき
25
★★★☆ 愛すべきロクデナシたち!自称南軍将軍の末裔、歯なしのリー・メロンと主人公たちがビッグ・サーで送る共同生活。マリファナをやり崖に小屋を作り蛙の大合唱を黙らせるため池に鰐を放す。ブッとんでる彼らに真面目に向き合う必要はない。こちらも酔っ払ったようなふわふわした気持ちで仲間に入れてもらえばいい。お金はないけど友達とバカやって今思うと何がそんなに面白かったんだってくらい笑ってた学生時代を思い出しました。ブッとんでて夢みたいで全てがバカバカしくて、こんなのいつまでも続くわけがないから悲しくなる小説でした。2017/10/12
さきん
23
いなそうな南軍の将軍の先祖を誇る歯のない若者と同居する主人公。定職がないために、ガソリン盗みに来た少年から逆に脅かして奪ったり、何かしらのお客が着て収入が入ったり、訳者は英訳者の先駆的な存在で、現代の英訳者へ多大な影響を与えているらしい。著者は1984年に自殺。謎めいていて、結局何を伝えたいかよくわからないが、一つ一つのフレーズをきれいにまとまっている。2021/09/13
ちぇけら
18
おわらない戦いを続けるリー・メロンは歯なし。廃墟に鳴る太鼓。ラリりたいんだ月桂樹みたいな葉っぱさん。沼にゲロゲロ蛙がたくさんいるんだよ、殺しても殺しても。といって鰐をはなつ。空には鷗。いつまでも勃起することはなかった。「「あたし、やりたい」とイレーヌがいった。よし。わたしは相手をつとめたが、わたしの心はそこになかった。どこにいたのか、わたしにはわからない」リー・メロンもわたしもビッグ・サーでなにかと戦っていて、しかし、どこにもいない。どこにもね。鷗と柘榴のおわらない物語が西海岸でドコドンドン。2019/01/28
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