岩波ジュニア新書<br> 〈刑務所〉で盲導犬を育てる

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岩波ジュニア新書
〈刑務所〉で盲導犬を育てる

  • 著者名:大塚敦子
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 岩波書店(2018/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005007974

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内容説明

2009年,日本で初めて,〈刑務所〉で盲導犬候補の子犬を育てる試みが始まった.試行錯誤のなかで,犬との出会いは,〈受刑者〉だけでなく,まわりの人々をどのように変えていったのか.動物との絆に秘められた可能性とは.人生を根本的に生き直すとは.この試みの立ち上げから7年以上にわたって取材を重ねてきた著者が綴る,希望の書.

目次

目  次
   はじめに

 第1章 日本初のプログラムができるまで
   パピーユニット/島根あさひ社会復帰促進センターはどんなところか/パピープログラムの仕組み/pfi刑務所とは/地域の人びとに支えられて/文通プログラム/パピープログラムは、どのようにしてできたか
  コラム① 日本の刑務所──どのような人たちが収容されているのか

 第2章 春 パピーとの出会い
   パピーたちがやってきた/犬のいる生活/ウィークエンド・パピーウォーカー/パピーが結ぶ絆/成長の日々
  コラム② 島根あさひ社会復帰促進センターの教育プログラムと職業訓練

 第3章 夏 刑務所で犬を育てるということ
   三か月めの危機/一人いなくなった/点訳という社会貢献/高木さんの絵/愛犬ルカの死/家族からの手紙を支えに
  コラム③ 盲導犬はどんな仕事をするのか

 第4章 秋 再生の始まり
   盲導犬歩行体験/オーラの隠し芸/ナーブがいてくれる/元気で送り出してやりたい/能面が笑顔に変わった
  コラム④ 出所した人たちは

 第5章 冬 犬たちの旅立ち
   カウントダウン/ひと足先の修了式/自分の宝を手放す/それぞれの道へ
 おわりに  それぞれのその後
   主な参考文献と引用文献
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小梅

105
戌年に犬本5冊目。 日本で4番目の「PFI刑務所」である島根あさひ社会復帰促進センターで初めてパピーウォーカーをした経緯を記録した本。刑務所で盲導犬候補の子犬を育てるパピープログラムが始まった。地域のボランティアが週末パピーウォーカーとして、他の犬との合流や沢山の人のいる場所に慣れさせたりする。塀の中と外でパピーを通して手帳に連絡事項やパピーの様子を書いて連携体制で育てる。 とても素晴らしい試みだと思いました。2018/01/22

美登利

92
図書館員さんのオススメ本。タイトルで、今はこういうプログラムが有るのだと初めて知りました。著者がアメリカで取材して本を出版してから、パピーを育てるプログラム作りに参加して、様々な人たちの力をかりて日本で立ち上がったシステム。受刑者たちの更生の為に、動物との関わりは非常に力になるのではないかと強い気持ちが見事に伝わり、その後は改変しながら少しずつ再犯率が減りつつあることに成果が出ています。まだ赤ちゃん時期の犬を24時間体制で育てること。大変だけどみるみる変わっていく訓練生たちの姿に思わず笑みが広がります。2016/03/23

kinupon

83
すごいことだと思います。制約のある場所でこれだけのことが出来るなんて画期的です。半官半民だからこそ出来ることもあるんですね。日本の更生保護の在り方を考えさせられました。2018/10/01

miww

73
とてもいい本でした。刑務所でのパピープログラムについてのノンフィクション。刑務所にこのようなプログラムがあるのは知りませんでした。訓練生(受刑者)が点字実習を受けながら盲導犬候補の子犬達を育てる。自ら希望してこの試みに参加し、やがて相手を思いやり慈しむ人間らしい気持ちを取り戻していく。自分が何かの役に立っている実感を得てパピーに愛情を注ぐ姿に動物と過ごす影響力を感じます。盲導犬ユーザーの言葉「自分で自分の居場所をつくるというのは、自分にできることは何かを探すこと‥」全ての人の心に残るメッセージ。2016/06/13

kinkin

67
受刑者が盲導犬を育てるプログラムを島根にあるPFI刑務所を例に紹介されていた。受刑者たちがグループを作り仔犬から成犬にするまでの過程とが様々な事例ととともに書かれており、文章も平易で読みやすかった。動物たちとふれあうことで希薄になった人間関係や、チームワーク、なにより受刑者たちの心もしだいにほぐれてくるという。動物に癒される人、そこで育てられた盲導犬とともに生活をする人、犬が人々の関係をつなぐ動物として紹介されていた。このようなプログラムはこれからの更生の一環としてもっと普及すべきだと感じた。2015/08/15

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