内容説明
見えるから、愛しい。見えないから、愛おしい――。
犬神筋の家に生まれながらも霊力の低い私の側には、白い犬神の『雪尾』がいる。
白いしっぽだけしか見えない、私の犬神だ。
ある日、雪尾の姿を見ることができる青年と出会い……。
見えない私と見える彼、そして、白いしっぽ。
二人と一匹の、少し不思議な日常を描いたショートストーリー集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
犬神筋に生まれながらも霊力の低い白瀬さんの側にいる、白いしっぽだけしか見えない白い犬神・雪尾。そんな彼女と雪尾、不思議なものが見える高階くんの日常を描いたショートストーリー集。雪尾に救ってもらったことがある年下の高階くんと、図書館で働く白瀬さんの白い犬神を通じた出会い。高階くんもそういう筋の人なのかな?気になってはいてもお友達の域を出ないもどかしい距離感があって、白瀬さんの初恋相手や姉妹との邂逅もあったりで、そんな二人の想いと犬神とのささやかなやりとりが素敵な物語でした。続巻出たらまた読んでみたいですね。2017/12/16
ツバサ
8
面白かったけど、後半の締めが強引に感じた。続きが出るなら、読みたいと思う。癒される作風でした。2018/03/10
とめこ
8
めちゃくちゃ好き。自分の犬神のしっぽだけしか見えない白瀬さんと、犬神の雪尾。雪尾の姿が見える高階くんの不思議な日常のお話。ショートストーリーなのでさくさくと読めるし、なにより白瀬さんと雪尾のちょっと切ないけど温かな関係がとても良かった。疲れている時に読んだので凄くほっこりしました。突然ころころ視点が変わるのは戸惑ったけど、白瀬さん達の関係を違った所から見れたので面白かったです。おっとり優しい白瀬さんも、感情豊かな雪尾もかわいい。切符さんの柔らかな絵柄がお話に合っていて素敵でした。ぜひ続きを出して欲しいな。2017/12/17
シャルシェ
5
猫かと思ってたら犬でした。犬神筋の家に生まれながらも自分の犬神の白いしっぽしか見えない白瀬さん、白い犬神の雪尾。ある日雪尾の姿が見える青年・高階君と出会い……彼女たちの少し不思議で温かい日常が短編で読みやすく描かれています。 個人的には高階君の視点があって良かったと思いました。互いの視線が交わることはないけれど、青い目と白いしっぽで向き合う一人と一匹の繋がりを、優しい彼の眼差しを通して感じることができました。心に温かいものが広がる感じがしました。この寒い冬に読むのにぴったりだと思います。次巻もあればぜひ。2018/01/23
ようぜん
4
「犬神家」の血筋の白瀬未緒、彼女には犬神である「雪尾」が憑いているが、霊力が弱くしっぽしか見えない。そんな彼女の前に雪尾が見える「高階恵」という男が現れる。見えないモノが見える二人は 、過去に苦い思いをしており、お互い異性が苦手で奥手。なんともむず痒い関係でしたね。社会人と大学生なのに初々しい。雪尾という白い犬を中心に置いているので、エピソードも優しくほっこりしていて良かったです。二人がどうなったのかはわかりませんが、ゆっくりと距離を縮めていったんじゃないかと思います。2021/11/26