内容説明
柿本人麿、紀貫之、式子内親王、藤原定家、後鳥羽院、芭蕉、蕪村、茂吉、石川淳、石原吉郎、西東三鬼、寺山修司からラブレー、ネルヴァル、アポリネール、ランボー、マラルメ、ジョイス、トーマス・マン、フォークナー、ダニエル・キースまで。古今東西の言語芸術から最も壮麗で美味な部分を収集し、二十七の主題の部屋に陳列した、超一級の言語美術館。
目次
I 落涙獻呈
II 天網靉靆
III 虹彩煉獄
《跋》玲瓏麗句館由來
解説 島内景二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
321
塚本邦雄の著書の中でも、とりわけその博覧強記に翻弄される1書。例えば巻頭の「展翅板」は、後鳥羽院にはじまり、安西冬衛、ネルヴァル、「堤中納言物語」、内藤丈草、久生十蘭へと自由奔放に連想を拡げてゆく。その回路はひとえに著者の言語世界にあって、読者たる我々は追いすがるようについていこうとするのだが、往々にして振り払われてしまうのである。出典を一覧にすれば、凄まじいばかりの量と質だろう。中には近松の『心中天網島』や、もっと意外だった『アルジャーノンに花束を』まで登場する始末である。2022/08/16
HANA
64
「ことば」は意味を伝えるだけではなく、それ自体が美しさを持っている。この美術館に展示されている様々なものを見ると、そう強く思わされる。各展示室に集められているのは古今東西、それぞれのテーマによって集められた様々なことばたち。それを熟達した館長の案内により読み進める至福。特に各展示室の室名がまたいい。「展翅板」「虹橋變」「鬼涙照夜白」もうこれだけで集められたものが期待に違わないものとわかると思う。そして蝶、橋、馬など。「ことば」というものの持つ力、美しさがどのようなものであるか教えてくれる一冊であった。2021/05/24
愛玉子
31
藤原定家、J・ジョイス、小栗蟲太郎、三島由紀夫、トーマス・マン、J・G・バラード…。洋の東西も時代も問わず、館長・塚本邦雄の審美眼に適った美しい言葉を収集し、テーマに沿って展示した壮麗なる詩華美術館。美しく煌びやかで、少々の毒や禁忌もはらむその展示品には、深い知識に基づきながらも自在に想像力を羽ばたかせた解説が添えられ、目眩く言葉の迷宮にただ眼を見開いて立ち尽くす。旧仮名ゆえに音読の速さで読むもどかしさは枷となりまた悦びになる。雰囲気的には布張りの上製本が似つかわしいが、スマホに常備というのもまた良き哉。2022/02/05
なる
26
詩人・歌人である塚本邦雄の博学が爆発している名品。蝶やキリストといったものから言葉遊びといった変わった視点まで、一つ一つにテーマを絞り込んで、それにまつわる古今和歌集をはじめとした日本の古典や近代に至る文学、それに世界各国にある文学から言葉を集めて紹介しながら、後半部分でキャプションのように解説を行う、という手法をとっている。まさにタイトル通り言葉を展示している美術館のような不思議な作品。その幻想的でもありながらしっかりと紐解いて行くような作風は稲垣足穂『一千一秒物語』のように、ひっそりと沈殿する。2023/05/23
双海(ふたみ)
19
人麿、定家、杜甫、ヴィヨン、蕪村、ランボー、ダニエル・キイス・・・古今東西の言語藝術からもっとも壮麗で美味な部分を採録。そして、それぞれを27の主題のフロアに陳列。まさしく言葉の美術館。2018/03/01
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