内容説明
桶狭間、忠臣蔵、桜田門……歴史を変えた事件にひそむ謎を大胆に解き明かしていく。推理する歴史探偵もまた、後世の歴史上の人物がつとめる。興趣あふれる厳選八編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はかり
16
上田のデビュー前の作品集。歴史ミステリーの醍醐味が凝縮された本。拙い文章とは思えなず、適格な表現だと思う。歴史の裏にある真実を冷徹に見つめる作者の評価が高いのは当たり前か。それにしても、我々が歴史で知っているのはほんの僅かだということを思い知らされる。2020/12/01
ちばと~る
13
奥右筆秘帖シリーズでお馴染みの上田秀人先生がデビュー前に書き溜めていた歴史ミステリ短編8篇を集めたモノ。デビュー前の初々しい感じもしつつも、完成度の高い歴史ミステリが納められていて満足!桶狭間~本能寺の謎!利休切腹の謎!堀田正俊暗殺の影に◯◯!大石内蔵助は実わ!!龍馬暗殺の真相は!!…ラストの幕末3篇は~勝海舟も榎本武揚も凄すぎて~勝海舟キライになってきたw2012/04/15
いちろ(1969aMAN改め)
7
上田氏。「奥祐筆秘帳」というシリーズを書かれている作家さんです。この、奥祐筆シリーズ、これも良いのだが。氏は大阪の歯医者さん。その若き日の短編をまとめた一冊です。桶狭間における義元敗戦、江戸城殿中刃傷沙汰、利休切腹、竜馬暗殺、明治政府の怪人事、などなど8編の日本史の不可解な部分を黒田官兵衛、新井白石、勝海舟、福沢諭吉らが謎を明かします。竜馬暗殺はそういう説もあるんだね、知らなかったよ。楽しい。勝がなんとも魅力的。幕末モノ書いてくれないかな。2012/09/13
チノ
5
★★★★☆歴史上の事件について、様々な人が大胆な仮説を立てながら真相に迫っていく短編集。軍師というよりは探偵というような立場。全ての話しが興味深く、面白かった。今まで戦国時代の小説ばかり読んでいたが、幕末の小説も読んでみたいと思った。この小説の中では、徳川慶喜将軍を小物のような人物として描かれていたが、実際はどうなんだろうと興味が湧いた。2021/05/15
Stella
5
官兵衛が桶狭間の勝利を演出した者を、不昧公が利休切腹の謎を、海舟が龍馬暗殺真犯人を……と、戦国時代から明治時代の著名人が、歴史の謎を解くミステリ短篇集。2012/05/10