内容説明
NHK「BS 世界のドキュメンタリー」で放送予定(2018年3月1日、2日二夜連続)
全世界で話題のドキュメンタリーを完全書籍化。
映画『スノーデン』を撮り終わったオリバー・ストーンは、
スノーデンが亡命したロシアに密かに渡り、
プーチン大統領のインタビュー・ドキュメンタリーを撮り始める。
クレムリンの大講堂で、アイスホッケー場で、ソチの避暑地で。
チェチェンの独立運動を潰し、
ウクライナからクリミアを強引に併合、
政権に楯突くものは次々に不可解な死を遂げる。
西側の報道によるそうしたイメージはストーンのインタビューによって揺らぎ始める。
【目次】
1 5度の暗殺未遂にもかかわらず悪夢は見ない
2 万能感に浸る国家は必ず間違う
3 ロシアがスノーデンを引き渡さない理由を話そう
4 アメリカはロシアという外敵を必要としている
5 平和を支持するのは楽な立場だ
6 同盟国と国民を追い込むシステム
7 トルコはIS支配地域の石油の密輸先になっている
8 クリントン大統領はロシアのNATO加盟を「いいじゃないか」と一度は言った
9 米国との対立は二〇〇四年から二〇〇七年に始まった
10 ウクライナで起きたのはアメリカに支援されたクーデターだ
11 ソ連は何年もかけて人材を評価したが、結局崩壊した
12 ロシアはアメリカ大統領選挙に介入したか?
訳者あとがき
解説 北方領土交渉の実体験から本書を読み解く 鈴木宗男(新党大地代表)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
147
ストーンでは、プーチンの相手にならない。怒り、興奮した映画監督は、冷徹で意思の強い、本心を見せない男にフィルムを仕上げた。プーチンに惚れ込んだのは、彼が愛国心のあまり、特に『スノーデン』の後の時期でもあり、自分の国に対して要求が高かったからだ。そこをプーチンが諌める…、という構図だ。数年前にアメリカが製作したプーチンについての番組と、全てのことにおいて反対の内容。気になったのは、ゴルバチョフを認めながら評価しない態度。クリミアも、チェチェンも、アメリカが支援するテロ組織が関わっていると断言したこと(続く)2018/08/16
starbro
123
『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』以来、久々のオリバー・ストーンです。今回は、ロシアの絶対権力者プーチンのインタビュー集。ロシア側から見た世界感が新鮮で興味深く読みました。米国が世界一のならず者国家だと確信しました(笑)TV版が3月上旬放送されるので、楽しみです。 http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=180301 http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=1803022018/02/07
Willie the Wildcat
66
譲れない一線も信頼関係次第。政権の変化(特にUS)と、根底の歴史観の差異が齎す”揺り戻し”も悲しき現実。所々に垣間見る大統領の思考・哲学。中でも「危険性」の”錯覚”の件は印象的。「民主主義の起因」もイデオロギーでない。現実主義という感。対談形式故に興味深かったのが、監督の執拗なまでの「言わせよう!」という姿勢と、それをいなす大統領の攻防!?”何を”は是非ご一読下さい。大統領の祖父の仕事から、現在の地位につながる大統領の運命も少なからず感じる。孫のことを語る”祖父”の顔に国境はない。皆仲良くしようよ!2018/01/30
Tenouji
31
プーチンは対話を強調し、特に米国メディアによって、ロシアのイメージが間違って伝わっていることを、何度も言及している。こういった姿勢のジャーナリズムが、日本にあってもいいんだが…2018/04/05
たらお
30
オリバー・ストーンは自身を「親ロシアではなく、親平和主義」と言っているが、プーチンが2年にわたる20時間以上のインタビューを受けることからも分かる通り、話はロシア寄りで進んでいく。ところが…読んで気付くのはプーチンの論理的な思考力と雄弁さ。そして、ロシア側の言い分を一方的に受け入れないまでも、我々はアメリカ寄りの情報を鵜呑みにしてはいないだろうか?ということである。現にアメリカが過去行ってきたことを考えると余計にそう思ってしまう。メディアの弊害、官僚機構の歪み、軍拡の予兆など世界は複雑で一筋縄でいかない。2018/03/16




