内容説明
散歩と読書が大好きな常盤新平さん。銀座の路地をぶらぶら歩き、日和にまかせて平井や浦安にも足を伸ばす。歩き疲れたら馴染みの喫茶店で一服。珈琲と煙草はますますやめられず、ときには黄昏の酒場でほろ酔い気分。故山口瞳師匠宅への年始の挨拶、競馬や将棋のお仲間たちとのつきあいも欠かせない。味のあるお店や懐かしい人を訪ねて三年有余、新平さんの旅歩き交友日誌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
8
散歩と読書、珈琲と酒とタバコ、そして猫が大好きな著者。銀座や神保町をブラブラ歩いたり、時には平井や浦安にも足を伸ばす。同年代だけでなく、年下の友人たちとも親交を持ち、一緒に美味しいものを食べ、お酒を飲んで楽しむ。70歳を超えながらも活力ある日々を送る著者の日記。2013/08/08
星野聖栞(ほしのせしる)
6
直木賞受賞作家であり、アーウィン・ショーの翻訳者である著者の、粋な毎日。どんな日々を送っていたかと言うと、フィリップ・ロスの下訳のため割烹旅館に缶詰にされた夜は、友人と鮎づくしの料理と地酒を楽しむ。その翌日には、並木通りのBARで、店のママと編集者の遺したグレン・グラントを呑んでいる、といった具合。ニューヨーカーを愛読し、ボールペンの芯は伊東屋で替えて貰い(わたしも今度、伊東屋に行ったらするつもり)、その傍らにはいつも、趣味のよい本があるのだった。こんな洒落たおとなになりたいものですね。2014/09/13
Reina R
6
わさびの花を読んで知った常盤さんの三年とちょっと分の日記。私も好きなザ・ソプラノズを見ていたと知り、さすがマフィア研究家と感心。2013/10/23
Charlie
4
敬愛する池波の銀座日記の影響を大いに受けているのであろう今作。やはり年を重ねると同じ様な雰囲気になるのだな。ニューヨーカーをテーマにした本を書いている著者がここに至ってもまだきちんとこの雑誌を理解しているのか?という述懐するのが印象的だった。2014/06/07
sasha
3
タイトルにある銀座のみならず、神保町、新宿、平井、浦安と足を運び、喫茶店で一服し、親しい人たちと杯を傾け。70代の常盤氏の日常を綴ったエッセイは颯爽と街歩きを楽しんで、老いることのほんのりとした切なさを感じさせてくれる。2014/01/08