内容説明
仕事に倦んだプログラマーの香山秀行は、上司の勧めで北海道・知床を訪れる。町の人々から歓迎を受けるが、その夜、空一面に赤いオーロラが発生。街全体が暗闇に包まれる。それは巨大な太陽嵐による、世界停電の始まりだった――未曾有の困難に立ち向かう人びとを描く、第5回ハヤカワSFコンテスト最終候補作。解説収録/柴田一成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
176
書店でふと見かけて手にとった作品です。やはり帯に'北海道'と書いてあれば、道民としては読まずにはいられません。超巨大太陽フレアが発生し、全世界が停電になるパニックSF作品ですが、ガッチガチのSFモードではなく、むしろ北海道は舞台の道東らしく、ある意味のんびりとしながらもたくましく生きていく人々の姿にココロ打たれました。今の世の中、当たり前となっている通信や交通網が遮断され、日常生活の全てが失われたトキ、どうなるのか。考えただけでも正直、想像もつかないですよね。もしこんな日が現実になったらと思うと恐いです。2018/04/08
KAZOO
105
小松左京の「首都消失」を読んでいた時に、おきにいりさんが紹介してくれた、太陽フレアの本です。東京で働いていた主人公がテレワークで北海道の斜里町で全世界的な太陽フレアの影響で停電に出会います。(私は停電だけでは済まないという気もするのですがー根拠はないのですが)それから周りの人々などの助けを借りて東京に戻ったりしますが、再度北海道に戻って未来のある感じで終わります。2024/02/21
おしゃべりメガネ
87
約6年ぶりの再読です。先日、北海道の何ヵ所かにおいてオーロラが観れたニュースが流れてました。しかし、そのオーロラも本書のように'太陽フレア'云々のような話になるとそうそうのほほんとはしてられませんよね。初めて本書を読んだ約半年後に北海道はブラックアウトに見舞われます。数日とはいえ、電気のない暮らしはかなりのストレスだったコトを記憶しています。本作品においては、舞台は道東に位置する斜里町で、作家さん自身も斜里在住とのことから、町並みや自然の脅威に関する描写はとてもリアルでした。平和の大切さを感じました。2024/05/28
あつひめ
65
明日は我が身と思った。電気がないということは今の時代には命を落としかねない状況でもある。季節は6月。もし今年のような猛暑だったら…または、冬に近い頃だったら…といろんなことを想像してしまった。専門用語が多くて読書を楽しむというのとは違ったけれど、現実でもこういう様々な動きが災害時にあるのかなぁとか一般市民には明かされてないこともたくさんあるのかもと不安と安心がシーソーのように揺れる。今、水害の大変な時でもあるから、心構えも必要だなと思った一冊。行動力、想像力が生きる源でもあるのかもしれない。2018/07/24
toshi
56
ハヤカワSFコンテスト最終候補作。SFと銘打っておりますが、内容は寧ろ良く出来たエンタメ/サバイバルハウツー本となっております。北海道のある街の夜空に赤いオーロラが現れます。それが実は太陽フレアによる太陽嵐だと分かり、世界中で停電が起こり始めます。本作は停電下の世界を時に冷徹に、時に温かく見守りながら描出して行きます。只、人々が長期に渡る停電でもあまりパニックになっていない点が、少し納得出来ませんでした。2024/05/04
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