新潮選書<br> 地名の謎を解く―隠された「日本の古層」―(新潮選書)

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新潮選書
地名の謎を解く―隠された「日本の古層」―(新潮選書)

  • 著者名:伊東ひとみ【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 新潮社(2018/01発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106038129

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内容説明

太古の時代から、「地名」は風土や原初的な神話世界と強く結びついていた。古代につながる難読地名から平成の市町村合併まで、土地の名前には日本人の心性や自然観、人間の営為を知るための鍵が“暗号”のように埋め込まれている。柳田國男や谷川健一など先人の研究に導かれながら、その歴史的変遷と秘められた意味に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

64
初読以来積ん読状態になっていた本書を、読友さんの紹介で再び手に取る。「地名」は、非常に身近な存在でありながら、ルーツを掘り起こせば、列島に人が住み始めて以来の歴史を持つものもあるという。本書は、現代の地名が置かれた混乱ぶりを示しながら、その歴史的民俗的言語的側面に光を当て、地名に秘められた日本文化の歴史を概観する。始めは音声のみで現された地名が、文字、殊に漢字と出会う中で多様な変遷を遂げてきた事例や、地名が時代の政治勢力や行政に翻弄されてきた実態を記すなど、地名を学ぶ事の面白さ、奥深さを味わわせてくれる。2025/03/17

naginoha

45
野暮用にて地名を調べる必要が生じ図書館から借りた。借りてから気づいたが、何と再読。 読んだら興味深い本だけど、今回の野暮用にはあまり参考にならず。以下記録。「はた」前読と同様。2020/09/30

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

28
▼地名の由来についての「考え方」を考察しつつ、各地の地名を分析している。▼日本語の起源の謎、上代日本語、DNAから見た日本列島の人々…こういった事柄にまで思いを致しつつ、地名形成の歴史について考えている。▼記紀編纂以前の昔から畏れの対象とされてきたアニミズム的な神々と人々との往還から形作られた心性が、地名に染み込んでいると著者は語る。▼この本が示す考え方をもとに、身近な地名に保存された「先人の記憶」について考えを巡らせてみると、案外、正しい由来にたどり着くことができるかもわからない。 2021/11/05

雲をみるひと

23
主に縄文人の語彙と現在の地名の関係を考察した内容。記紀の解説や古代の漢字の置き換え、明治期の市町村合併といった地名変遷の影響などが丁寧に書かれていてわかりやすい。巻末の地名の分類表もよい。良本だと思う。2021/05/09

bapaksejahtera

11
誰もが関心を持つ「地名」だが、定着した地名でさえ案外近い過去に時の権力や行政の都合で改変された事実が知らされる。近時は自治体や住民によるキラキラネームに目眩ましをされる。それらを排除して古層に行き着くとしても、混沌とした世界に迷うほかはない。著者は地形に関する古くからの語彙を例に上げ、その多様な地方差を示す。表題とは裏腹に真の古層は極めて多層多様な世界である。本書も地名本の例にもれず、体系的というよりも散文的な叙述にならざるを得ない。しかし問題の周辺に横たわる様々なバイアスの提示には成功していると思う。2020/11/04

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