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内容説明
日本独自の業態として戦後復興期や高度成長期の日本経済を牽引、オイルショック・バブル崩壊・リーマンショックに衰微することなく、諸外国の研究により育成された同業他社にも勝利した総合商社。本書は、その「強さ」に迫り、日本企業の「次」を探るものである。総合商社が今世紀はじめに復活を遂げるにあたって行なった経営改革とビジネスモデルの変革は、多くの日本企業に“気づき”を与えるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
58
シリーズ悪役の変遷。とはいえ、企業イメージ向上を狙ったCMで、「おこづかいどれくらい持ってるの?」と言って視聴者をドン引きさせることはあっても、商社=悪というイメージは昨今それほど強くないでしょう。本書は総合商社の形成発展史と、その役割の変化について語った至って真っ当な本で、経済史好きの私も読んでわくわくしました。開国期の不平等条約下で商権の奪還や、戦後の日本企業の海外進出をサポートした歴史は称賛されるべきです。それでも42歳の私は、商社に悪役イメージを持っているのです。それはなぜか?(続く)2020/07/01
vinlandmbit
50
総合商社の歴史的な変遷と発展と、その特殊性を、戦前と戦後とで日本が置かれた歴史的状況と照らし合わせながら解説してくれる良書です。その上で現在に置いてその役割がどう変わっていくのかについても参考となる点多々ありました。2021/06/13
トラッキー
8
少し歴史の説明が長過ぎるかなと感じたけれど、商社に勤める者が読んでも、なるほどと納得するところも多々ある力作。世界に例を見ない総合商社という業態がなぜ日本で生まれたか、他国では真似できないかがよくわかった。最後の部分で、総合商社を生み出した特殊要素がほとんど消滅したいま、総合商社はどうなるかを論じているが、私は各社の個性が強まって、総合商社というカテゴリーがそのうち無くなるような気がする。2017/04/07
Mc6ρ助
5
総合商社とは、トレード(商品取引)、事業運営、事業投資を各事業部門のなかで渾然一体化して運営する日本独自の事業形態。課題も一杯だが、著者によると、『 「自己変革のDNA」を受け継ぎ、困難に立ち向かう気質を失わないかぎり、総合商社の行方は未来に向かって開かれている。(p267)』2017/08/22
Keizy-soze
5
日本だけに存在するビジネスモデル”総合商社”。 「なぜ存在するのか」「今後も存在するのか」「どこへ向かうのか」を考察している。途中の商社の歴史がやや長かったが、今後のビジネスモデルの姿についてはきづき、学ぶ点があった。 今後会社を変える選択肢があるとしたら、 この分野には興味がある。 ただ、メーカーのトレーディング、ハンドリング業務は 絶対したくない笑。 2017/05/31